人間を機械化してみた— ロボットは人間を超えた vol.4

マニュアル化する社会を「非人間的である」と批判する人がいる一方で、そうした人間の行動をロボット化させることを、ロボット研究の権威である石黒浩さんは「人間が生きることに対する挑戦」だととらえています。そんな石黒さんが考える、ロボット業界で今いちばんの問題とは? 対談のなかで、海猫沢さんが科学とそれ以外の分野との接点を見出していきます。

人を機械化する機械!?

— 仕事がどんどん自動化されてきて、やることがすごく少なくなってきたときに、人間と会わなくてもよくなりますよね。例えば、今、ファミレスとか寿司屋にタッチパネルがあって、人と会わなくても良くなってる。

石黒 あれすごいですよね。あれは人間=ロボット化システムだと思っていて、それもね、実用化しようとしているんですよ。

— ええっ!? それ、どういうものですか?

石黒 たとえば、今でも接客業などでは、人間向けのマニュアルがありますけど、すべてが書かれているわけではないですよね。でもね、本当は、マニュアルをロボット向けのプログラムだと思って書くと、逐一書ききれるんです。そして、人間を単なるモバイルプラットフォームだと思って、全部プログラミングすると、かなりうまく動かすことができるんです。

石黒先生は著書のなかで、人間の行動はおおまかに分けると3つしかない、述べています。即ち、「移動」「会話」「作業」です。この3つの処理を機械的にプログラミングするのは、不可能ではなさそうですが—そういえば以前、Googleのエンジニアの方から聞いた話ですが、彼の上司は、「自分マニュアル」を公開しているそうです。「自分は、こういう人間で、こういうふうに操るとうまくいくからよろしく」といったことが記されているPDFが会社のなかで共有されていると……。

これは人間が生きることへの挑戦だ

— でも、やっぱりそこで、「非人間的だ!」って言うひとが現れると思うんですよね。

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“すこしふしぎ”な科学ルポ

海猫沢めろん

漫画家・藤子不二雄氏はかつて、SFを「すこし・ふしぎ」の略だと言いました。そして現在。臨機応変に受け答えするSiri、人間と互角以上の勝負を展開する将棋ソフト、歌うバーチャルアイドル初音ミク、若い女性にしか見えないヒューマノイド……世...もっと読む

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コメント

DrqYuto 自分の取説作らなきゃ 5年以上前 replyretweetfavorite

katsu1331 ジレンマを見てたら、石黒先生のお話(https://t.co/FD87603QBs)を思い出して、読み返した。 “ロボットが人間に受け入れられる存在になったときに、その中身を見れば、そこに人間の定義が書いてあるはずなんです。” グッとくるわい……。 #ジレンマ 5年以上前 replyretweetfavorite

miyaan2010 |海猫沢めろん @uminekozawa |cakes(ケイクス) ロボットならではのメリット。気を使わなくて大丈夫。クレーマーも減りそう。実現してほしい。 https://t.co/jBaeE5gIxO 5年以上前 replyretweetfavorite

lostoman アナログハックの事例を見た。   5年以上前 replyretweetfavorite