おじいさんとおばあさんは、その村に二人だけで暮らしていた。
おばあさんが川へ洗濯に行くと、桃色のプラスチックケースが、川をゆっくり流れてきた。中にはかわいらしい男の子の赤ん坊が入っていた。
ずいぶん長いこと子供を見たことがなかったので、おばあさんは嬉しくなって家にその子を連れて帰った。そして、どうしても自分の手で育てると言った。柴刈りから帰ったおじいさんは反対したが、男の子の寝顔を見ると手放したくなくなった。二人はこの男の子を「桃太郎」と名付けて育てることにした。
桃太郎はすくすく成長した。薪割りの手伝いもできるようになった。ある日、おじいさんは桃太郎を呼んで言った。
cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。