ミシュランのもう一つの楽しみ方
先日、今年の東京のミシュランが発表された。今回で東京版は8年目である。賛否両論あるのは発売されてからずっとだけど、個人的には日本でも発売されることなって嬉しい限りである。数年前から東京版では星付きレストランだけでなくて、ビブグルマンというコストパフォーマンスのいい店というリストも発表されるようになった。150店以上がここに挙がっているのだけれど、僕はここのパートがとても好きで、今まで知らなかった店に出会える貴重なチャンスとなっている。
このリストこそ、ミシュランのコストをかけた調査の結晶と言える気がするのだ。というより、ある意味絨毯爆撃的なエネルギーを東京中のレストランにしっかりとかけないとできない仕事である。これは、ミシュランにしかできない。あの店が3つ星はおかしい、この店は2つ星ではなく3つ星であるべきだという議論には個人的にはあまり興味がなく、個々の中でそれぞれ大事な店があったらいいと思う。ビブグルマンにときどき挙がってくる今まであまりスポットライトのあたってなかった店を知り、そしてその店の評判をネットで調べてみて、いい店はないかと探求していく。
食べログの点数がついてなかったり、あまり高くないとなおのことやる気が出て、写真を見て料理が美味しそうだったり、ブログなんかで評判がよさそうなものならちょいと勇気をもってその店に行ってみたりする。そこでアタリをひいた瞬間の喜びはなかなか新鮮なものである。雑誌に出てくるお店はどうしてもどこどこ出身のシェフが新しいお店をオープンした、とか系譜寄りの情報に寄りがちで、むしろ何の文脈にも乗っていない店との出会いに期待してしまう。