すべての人に「ハグ」する気持ちで 仕事をする
副マネージャーの
「今度、レクサスを立ち上げるんだが、戻ってこないか」
そして開業時から精鋭部隊の一人として参加することになった。
長く秘書の仕事をしてきて身体に染みついたこと。それは、「先回り」の心掛けだという。秘書は常に黒子。表に出る社主に「恥ずかしい」思いをさせてはならない。トップの人は、ただでさえ毎日忙しいスケジュールをこなしている。よけいな気遣いをさせないのが大切。そのため、常に言われる前に「先回り、先回り」して提案して動くのだという。
例えば、お中元やお歳暮の時期になれば、
「○○様は、最近、お付き合いが深くなって参りましたので、手配をさせていただきましょうか」
と言われる前に準備してしまう。
「当たり前路線ではいけない。決まりきった形ではいけない。その向こうに何かがあると思うのです。人と同じことをしたくないという性格もあるかもしれませんね」
そんな伊藤さんの秘書スピリットは、レクサス星が丘でも大いに活かされることになる。
レクサス星が丘では、圧倒的にファミリー層のお客様が多い。開業10年ともなると、オープン当時、ご両親に付いてこられたお子さんたちも成長する。彼らの名前を覚えていて「○○さん、こんにちは」と声を掛けるのも一つ。また、昔、アイスココアがお好きだったことを思い出し、さりげなく「どうぞ」とお出しする。
「え! 覚えていてくれたの」
と驚いて喜んでくださる。本人はもちろん、ご両親はそれ以上に。