世界で通用しないサービスは、国内でも使われない
藤野 グリーは、世界での競争力を持っている日本企業の一つだと思うのですが、創業時からグローバルな市場を意識していたのでしょうか?
田中 そうですね、そんなに強くイメージしていたわけではないのですが、国内で使ってもらうサービスをつくろうとすると、必然的に世界に目を向けざるをえないんです。
藤野 どういうことでしょうか?
田中 検索エンジンも昔は「千里眼」や「ODiN」など国内発のサービスがあったけれど、Yahoo!やGoogleがやってきて消えてしまった。パソコンだって、かつては東芝やソニー、NEC製を使っていたのに、AppleやASUSにかわっている。
つまり、全世界的に通用するサービス・製品でなければ、もはや国内でも使ってもらえないんです。国内において価値を提供しようと思ったら、否応なしに全世界においても価値が提供できる存在にならないと。利用者としては、企業の国籍がどこだろうが、一番いいものが一番安く手に入ればそれで問題ないですからね。
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