文章力は、伝達力の基本」【第7回】「起承転結」は、最悪の書き方

「日本人が日本語の文章を書くための文章力は、わざわざ身につけなくてもよい」は誤解です。子どものころに「文章を書く」という指導をきちんと受けてこなかった私たちに、入門書を得意とする作家・木暮太一さんが、文章力を身に付けるためにはどうすればよいかをお伝えします!


〔PHOTO〕gettyimages

前回解説したように、「わかりやすい文章」を書くためには、「わかりやすい文章構造」と「わかりやすい文章表現」で書かなければいけません。今回はその「文章構造」について解説します。

分かりやすい文章の構造とは?

「分かりやすい文章」の詳細を書く前に、まずは大枠の構造を理解して下さい。分かりやすい文章にするためには、

要約→本文→まとめ

の3構造で書くことが重要です。これはつまり、

・まず、これから伝えたい内容を要約する
・本論を書く
・再度「要約」を書いてまとめる

ということです。

細かいテクニックよりも、まずこの3構造を意識することがなにより大事です。逆にいえば、この3構造で書いてあれば、それだけである程度は「分かりやすい文章」になります。

「3構造」と書くと、なんだか難しそうですが、そんなことはありません。今まで書いていた文章の最初と最後に「要約」を追加すればいいだけです。

この「3構造」は、多くの「階層(全体・章・段落)」で使えます。

・全体: 全文の要約→全文を書く→全文のまとめを書く
・章 : その章の要約→章の本論を書く→その章のまとめを書く
・段落: その段落の要約→段落の本論を書く→その段落まとめを書く

前後に本論の要約を書くだけで、文章の分かりやすさが格段に上がります。

最初の「要約」は、読み手に準備をしてもらうためです。「これから○○について話をしますから、そのつもり(そういう意識)で聞いて下さい」という準備をしてもらうのです。読み手がこの準備をしているのと、そうでないのとでは、理解に大きな差が出ます。

最後の要約(まとめ)は、「伝えたい内容の念押し」と「記憶の定着」が目的です。長い文章になると、どうしても途中の内容がぼやけてきます。そこで最後に念を押すのです。またそうすることで、読み手の頭の中に「結論」が記憶され、定着します。いろいろ忘れてしまっても、「伝えたかったことだけは覚えている」という状態を作れるのです。

だからこそ、このふたつが重要なのであって、そのために本論を「要約で挟む」という構造にします。

主張や自分の立場も先に明記

何かを主張するとき、また自分の考えを説明するときにも、「要約」を先に書きます。

この場合の「要約」とは、自分の意見の結論です。長々と説明した後で「・・・なので私はA案の方がいいと思います」と書くのではなく、「わたしはA案の方がいいと思います。なぜなら・・・だからです」と書くべきです。

最初に結論を書いておけば、読み手は「この文章ではA案がいい理由が書いてあるんだな」という頭で読むことができます。「A案とB案とC案で、どれがいいのか分からない」という状態で読むよりも、「A案がいいらしい。その理由を読もう」という頭で読んだ方が圧倒的に理解しやすいのです。

「論理的な文章」とは?

「分かりやすい文章構造」は、一言で言うと「論理的な文章」という言い方もできます。そして多くの方が「論理的な文章」を書こうとがんばっています。

ここで質問です。「論理的な文章」とは、どんな文章のことでしょうか? みなさんは、いったいどんな文章を書こうとしているのでしょうか?

この質問に明確に答えられる人は多くいません。もし明確に答えられるのであれば、その方は既に論理的な文章が書けているはずです。

つまり、多くの方が「論理的な文章を書こう!」とがんばっていますが、そもそも何を目指しているのか? その「論理的な文章」とは何なのか? が明確になっていません。あやふやな目標に向かって進もうとしているのです。

目標が不明確だと、目標に辿り着くのも困難になります。ですから、まずは「論理的な文章とは何か?」をはっきりさせておきましょう。

ここでは、論理的な文章を以下のように定義します。

論理的な文章とは、

・結論が明確になっている文章
・全ての文が、結論を導き出すために書かれている文章
・結論を導き出すために必要な要素が、正しい順番で並んでいる文章

つまり、「明確な結論」に向かって必要な情報だけを書き、また読み手が結論に無事到達できるように、最適な順番で並べれば、論理的な文章になるということです。

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木暮太一

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