事業計画書なしに、資金調達ができた理由
藤野 田中さんは、楽天でいい経験をつまれたんですね。僕は、1999年頃、外資系企業でファンドマネージャーをしていたときに初めて三木谷さんとお会いしました。彼はノートパソコン一つでふらっと現れ、「英語と日本語、どちらでプレゼンしますか?」と聞きました。じゃあ英語で、と言うと、すらすらと、これから楽天で何をしていくのか、どういう社会をつくりたいかをプレゼンテーションしたんです。僕も、同席していたイギリス人の同僚も、すごくびっくりしました。そんな経営者、これまで日本にいなかったですから。
田中 三木谷さんらしいですね。
藤野 イギリス人の同僚が、プレゼンが終わってから大興奮して「ファンドマネージャーとして投資するよりも、彼のもとで働かせてもらったほうが、将来大金持ちになれるよ」と言いました。その当時、IT系の会社は次々と現れていましたが、こんなにちゃんとビジョンを持っているネットベンチャーは他にありませんでした。いい意味で大きなショックを受けたんです。
しかし田中さんはその後、楽天を辞めて、起業することになります。起業は昔から計画していたんですか?
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