SEKAI NO OWARIは「中2病」ではなく「高3病」

大晦日に行われるNHK紅白歌合戦への出場が決まるなど、快進撃を続けるバンド・SEKAI NO OWARI。中高生などからの熱い支持を受ける一方、なんだかよくわからない存在にモヤモヤしている人も多いのでは? 今回の武田砂鉄さんのコラムは、そんなモヤモヤにはっきりと答えているかはわかりませんが、読めばわかったような気持ちにはなれると思います。

自分を信じろ、イジメに負けるな

その昔、地元で知らないヤツはいないほどのワルだったり、暴走族の総長だったりした芸能人や文化人が、いけしゃあしゃあと若者に人生訓を垂れる場面ほど、テレビの前で舌打ちを繰り返す時もない。更生した経験に基づいて、自分を信じろ、イジメに負けるな、と励ますわけだが、その一方で「悪かったオレ」というのもそれはそれは大切にされていて、彼らは、時と場合によってメモリーの打ち出し方を変えてくる。「強面だが優しい」という二面性は、わりかし汎用性を持つし、いつでも使えると自覚しまくっている。

「どうにもならなかった自分」で高め合う

歌詞から発言から振る舞いまで、「繊細だが力強い」という二面性を強調しているように見えるSEKAI NO OWARI。彼らが各媒体で特集される度に、ヴォーカルのFukaseがその昔、閉鎖病棟に入院したことがあるというエピソードを見聞きする。グループの訴求力に繋げるかのように当人たちが率先してそのエピソードを発信してくるものだから、私は腹の内で「逆宇梶」と命名してきた。暴走族の総長だった宇梶剛士が何かと当時の悪行エピソードをハートフルでアツい俺の燃料にしたがるアレと裏表。昔のどうにもならなかった自分を、今を高め合うために使いすぎるきらいがある。宇梶方面が「昔ワルだった」で強気に稼動させてきたベクトルをセカオワが「昔うまくいってなかった」で強気に再稼動させたところ、嗅いだことのないガスが充満、ファンはそれをファンタジーだとうっとりし、一部のアンチは光化学スモッグだとゴホゴホ咳き込んでいる。

校長先生の話の若者訳バージョン
この続きは有料会員登録をすると
読むことができます。
cakes・note会員の方はここからログイン

1週間無料のお試し購読する

cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。

人気の連載

おすすめ記事

cakesの人気連載「ワダアキ考」、5人の書き下ろしを加えてついに書籍化!!

この連載について

初回を読む
ワダアキ考 〜テレビの中のわだかまり〜

武田砂鉄

365日四六時中休むことなく流れ続けているテレビ。あまりにも日常に入り込みすぎて、さも当たり前のようになってしったテレビの世界。でも、ふとした瞬間に感じる違和感、「これって本当に当たり前なんだっけ?」。その違和感を問いただすのが今回ス...もっと読む

この連載の人気記事

関連記事

関連キーワード

コメント

mitopon0611 https://t.co/aKCEbuMKdw これ面白い。「昔うまくいってなかった」を強気に再稼働は上手いw 1年以上前 replyretweetfavorite

kinkaaaaan  この「逆宇梶」とかすばらしいな。デパ地下の催事スイーツのようだ、この連載は 1年以上前 replyretweetfavorite

_sa_wa_ra_ うううん、まあまあ納得。 ▷ 3年弱前 replyretweetfavorite

anko0626 この人の記事面白いな。シマヅさんもこれくらい書けてたらね(半目) 3年弱前 replyretweetfavorite