日本の広告史上に残る事件が起きた?
グループウェアのサイボウズが、昨日12月1日から企業ブランドキャンペーンを始めました。おそらくこれは、日本の広告史上に残る、とてつもない「事件」になる可能性があります。今日のコラムは、このことについて少し考察してみたいと思います。
そのキャンペーンとはどのようなものか、まずはこの動画を見てみてください。
サイボウズ ワークスタイルムービー「大丈夫」
このCMでは、あるワーキングマザーが仕事帰りに、子供を保育園に迎えに行き、家まで帰るようすが描かれています。熱を出した子供の心配をしながら、仕事や家事の算段に思い悩む彼女のようすを見た人は、おそらくさまざまな感情的反応を見せることでしょう。子持ちの女性が働くことがこんなに大変なのかと驚いたり、主人公に自分自身の経験を重ねて涙を流したり、「主人公の夫はちょっとは妻をいたわったらどうなんだ!」と憤激したり、あるいは「こんなCMを流しておいて、サイボウズはいったい働く女性に何をしてくれるというのか」と不愉快になったり…。
その意味では「よくできた」CM動画なのですが、もう一つ、このキャンペーンが「よくでき」ていると思える、いやむしろ「ここまでやって良いのか」とすら思える理由があります。
それは、このCMに「問題の解決策が提示されていない」ということです。