キング・オブ・レクサスと呼ばれるまでの苦難の道

村上春樹の小説『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』に登場するレクサス店のモデルと言われるレクサス星が丘。感動のサービスで最高の評価を受けている同店ですが、そこに至るまでにはさまざまな苦難の道のりがありました。好評発売中の『No.1トヨタのおもてなし レクサス星が丘の奇跡』から一部を公開します。


村上春樹のベストセラー小説の舞台(!?)としても登場


 商いとは不思議なものだ。
 売上が一旦いったん落ちて店が傾くと、今までいたお得意様も去っていく。負のスパイラルに陥るとなかなか抜け出せない。
 反対に来店客が増えれば、その様子を見たり、「繁盛しているらしい」といううわさが噂を呼んだりして、ますます売上が伸びる。正の連鎖が起きるのだ。
 レクサス星が丘もしかり。ナンバーワンになる道のりは険しいものだったが、今では、
「友人から、ここのサービスが図抜けているって聞いたので」
「ネットで評判を見て」
 などと、セールスをしなくても来店するお客様が大勢いる。それは、県外にも及ぶ。中には、経営者の団体が、「ぜひ、その秘密を知りたい」とツアーを組んで見学に訪れることもある。


 そんな評判も手伝ってか、ある時、レクサス星が丘は思わぬ形でマスコミに取り上げられることになった。
 村上春樹の長編小説『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』(文藝春秋)の中に登場する「レクサスのショールーム」というのは、レクサス星が丘のことではないかというのだ。
 本の発売後、熱烈なハルキストの間で、「レクサスのショールーム」がどこの店なのかということが話題になっていた。ハルキストとは、シャーロック・ホームズの熱狂的なファンを自認するシャーロキアンと同じように、村上春樹の小説のストーリーだけではなく、登場する料理や音楽などをも研究する人たちのことだ。登場人物や設定場所のモデル探しをする中、名古屋市内の「レクサス名古屋西」「レクサス高岳」の両店が有力であると噂されていた。
 ところが、小説の中のある描写から、「レクサス星が丘」有力説が浮上したのだ。
 次の文は、主人公の多崎つくるが友人のアオが勤めるレクサス店を訪ねるシーンだ。


「つくるはレセプション・デスクに行って、そこに座った若い女性に話しかけた。彼女は髪を上品に上にまとめ、ほっそりした白い首筋を表に出していた。デスクの花瓶にはダリアがピンクと白の大きな花を咲かせていた」

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レクサス 星が丘の奇跡

志賀内泰弘

村上春樹の小説『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』に登場するレクサス店のモデルと言われるレクサス星が丘には、思わずうなる感動的な物語があった……。 好評発売中の『No.1トヨタのおもてなし レクサス星が丘の奇跡』から一部を公開...もっと読む

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hon_web 村上春樹のベストセラー小説の舞台(!?)としても登場 約4年前 replyretweetfavorite