「レズビアンのタレント」としての重圧と、結婚
杉本 事務所に所属して3年たって、今一番自己評価が厳しくなる時期じゃないかと思うんだけど、どうなの?
牧村 自己評価の揺れ続けた3年でしたけど、それが一段落したところだと思います。私は2年前、女性が好きであることを世間にカミングアウトして、「レズビアンのタレント」として活動することになったわけですけど、その時はとにかく、「私は正しいことを世の中に伝えていかなければいけない存在なんだ」って思っていたんですよね。世の中の人はみんなレズビアンを誤解しているから私が説明しなければ、という考えでものすごく長いブログを書いたり……。
杉本 肩に力が入っていたのね。
牧村 そうなんです。でも妻と一緒に暮らしてみて、一緒にご飯を食べて、遊びに行って、喧嘩をして……。なんてことのない普通の時間を過ごしただけなんですけど、女性同士で愛し合うことって全然特別なことじゃないんだな、ってことがようやく、言葉だけではなく経験でストンと腑に落ちたというか。
杉本 パートナーを得てわかることってたくさんあるわよね。私も、今の結婚をしたおかげで本当の自分に気づかされたもの。というより、本当の自分でいていいんだということが心から納得できたのね。もちろん、「いい結婚」だったからだけど。