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LGBTまわりの事実誤認が甚だしいので、正しい知識をまとめておきます。〜基本編〜

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今回ご紹介するのは、
「とある海外大生」さんのコラム、「LGBTまわりの事実誤認が甚だしいので、正しい知識をまとめておきます。〜基本編〜」。

渋谷区が同性カップルをパートナーとして証明する制度の法案を提出するなど、様々なメディアで取り上げられることが増えた「LGBT」という言葉。(L)レズビアン、(G)ゲイ、(B)バイ、(T)トランスジェンダーといったセクシュアルマイノリティーの方々を総称する言葉ですが、それぞれの具体的な意味をご存じでしょうか?

日本人の20人に1人はLGBTと言われています。もし、あなたの身近な人がLGBTだったら。思い込みや無知を減らすことは、誠実なコミュニケーションの第一歩になるはずです。

以下、noteより転載です。


LGBTまわりの事実誤認が甚だしいので、正しい知識をまとめておきます。〜基本編〜

現アップルCEOのティム・クックさんがゲイとしてカミングアウトしたニュースが話題になっています。今年は、米国の世論調査で同性婚への支持が過半数を上回ったり、あの老舗誌『Times』の表紙をテレビ番組『Orange is the New Black』主演のトランスジェンダー女優、ラヴァーン・コックスさんが飾ったり、LGBT問題の前進を象徴するかのような出来事が続きました。

さて、ニュースへの反応を見ていて、(悪意はなくとも)LGBT周りでの事実誤認が非常に多いな、と思ったので、私の知識の範囲でですが、ここに事実関係を書いてみたいと思います。更新もするかも。私も研究などをしている身ではないので(授業でかじったことはある)、事実誤認がありましたら、コメント欄かFacebookのメッセージ機能でコメント送っていただければ幸いです。

性の3つの柱

そもそも、LGBTとはなんなのでしょうか?

LGBTとはレズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダーなど、多様な性のあり方を総称する言葉です。LGBTのことを説明するのにタレントの牧村朝子さんがよくお話しされている、性の「3つの柱」がとても分かりやすいので、この場で引用させていただきます。

1)からだの性

2)こころの性(=性自認)

3)好きになる性(=性的指向)

※牧村朝子著『百合のリアル』より

私たちがいわゆる“普通”の人だと考えているのは、基本的に、こころとからだの性が一致しており、好きになる性が異性の人です。

レズビアンは、1)からだの性や2)こころの性が「女性」であり、3)好きになる性が同性の人のこと。ゲイは、1)からだの性や2)こころの性が「男性」で、3)の好きになる性が同性の人のことです。

バイセクシャルは、3)の好きになる性が男性・女性の両方であること。

トランスジェンダーは1)からだの性と2)こころの性が一致しない人のこと。日本では「性同一性障害」「性別違和」などと呼ばれることが多いです。性転換手術をしていても、していなくても「トランスジェンダー」という呼び名を使います。トランスジェンダーの方を「男性」「女性」のどちらかに定義する場合、本人のこころの性を優先して、こころが女性でからだが男性の場合は「トランスジェンダー女性」、逆の場合は「トランスジェンダー男性」と言います。

日本では「ゲイ」の定義が誤認されがち

ここで注意したいのは、日本では「ゲイ」の定義が誤認されがちなことです。テレビなどのメディアでの「オネエ」と呼ばれるエンターテイナーの方々の活躍により、「ゲイとは、こころが女性である男性のこと」との誤認がたまに見受けられますが、本人のこころの性が女性であれば、これはLGBTのTにあたる「トランスジェンダー女性」にあたります。

でも、「オネエ」の方がすべて「トランスジェンダー女性」なのかというと、そんなことはなくて、こころの性が男性であるゲイ男性が、一般的に女性が好きだとされているものが好きだったり、こころは男性でも、一般的に女性らしいと言われる言動がしっくりきたり、単にメディアで受けるので、意図的にそう振る舞っていたりするケースも多いのではないでしょうか。どちらにしろ、ゲイ男性はみな「女性的」「中性的」というのは事実誤認です。「女性的」な人も、「中性的」な人も、「男性的」な人もいます。

タレントのはるな愛さんは、トランスジェンダー女性としての文章を発表していますね。

「はるな愛『女性になったけど、大西賢示のまま戸籍は男のままでいたいと思った』」dot.(ドット)

4つのカテゴリーにきっちり分けられるわけではない

性のあり方は、上記の3つが組み合わさってできるので、じつはLGBTの4つの性のあり方を理解しただけでは、多様な性のあり方をすべてカバーすることはできません。たとえば、このようなケースもあります:

1)からだの性:男性

2)こころの性:女性

3)好きになる性:男性・女性

この方は「バイセクシャル」の「トランスジェンダー女性」ということになります。ほかにも、村上春樹著『海辺のカフカ』に、こんな登場人物が出てきます:

1)からだの性:女性

2)こころの性:男性

3)好きになる性:女性

この方は、異性愛(=同性愛の対義語)のトランスジェンダー男性、ということになりますね。

上記に付け加えると、ジュディス・バトラーという学者が『ジェンダー・トラブル』という著作を刊行してから、「性は『男』『女』できっちり分けられるものではない」という見方が広まってきています。その実例として、2000人〜4500人に一人生まれてくるIS(インターセックス)の人の存在がよく挙げられます(※)。こういった流れができてからは、自身のこころの性を「男性」「女性」という二項対立で定義しない「Xジェンダー」の方々も増えています。

従来のLGBTという呼称に、LGBTだけではカバーしきれない、多様な性のあり方を指すQueerという単語をプラスした、LGBTQという呼称が広まってきているのもそのためです。

※遺伝子上の性別とは逆の外性器を持っていたり、両性別の性器、もしくはどちらの性別とも判別できない性器を持って生まれること。

※追記(日本時間 2014/10/31 23:38)
ISの扱いについて……上記の記述は、IS当事者の考えを反映しておらず、バトラー自身も批判されているとのご指摘を受けましたので追記します。詳しくはコメント欄のご参照を。
“あくまで当事者たちが自分たちの体について思っているのは、「典型的とされている男の体、女の体とは少し違う体の状態」ということ、「こういう体だから男じゃない、女じゃない、男でも女でもない体だと勝手に決めないでください」ということなんです。”(性分化疾患・インターセックスinfoさんのコメントより)

ぱぱっと書いたので、分かりにくいところなどあれば教えてください。あと、牧村朝子さんの『百合のリアル』は入門編としてマジでオススメです。こんなブログ記事なんかより何倍もわかりやすいはず。


日本時間 2014/10/31 16:32 追記:
さっそく自分で間違いを発見。『海辺のカフカ』に出てくる登場人物は、からだが女性、こころが男性、好きになる性が男性でした。だから、「同性愛」の「トランスジェンダー男性」ですね。大変失礼いたしました。


転載元:とある海外大生「LGBTまわりの事実誤認が甚だしいので、正しい知識をまとめておきます。〜基本編〜」(2014/10/31)


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0501Can #LGBT #LGBTQ #セクシャルマイノリティ #性的少数者 3年以上前 replyretweetfavorite