どうせなら楽しく生きたい人へ

ベースが世界一うまくなくても、オンリーワンの価値は持てる

『どうせなら、楽しく生きよう』著者の渡辺由佳里さんと、ex.東京事変のベーシストで椎名林檎、平井堅、スピッツ、GLAY等、数多くのアーティストを手がける音楽プロデューサー亀田誠治さんの対談、第2回です。努力すれば何かしらの成果が出て、人生で成功することができる。そんな考えにとらわれている人はいないでしょうか。渡辺さんと亀田さんは、努力とは好きなことを続けているだけでいいと言います。その一風変わった努力論から、自分の価値の探し方が見えてきます。(構成:崎谷実穂

「1万時間の法則」は、好きなことをやっている人にだけあてはまる

— 今回、まず「努力」についてお二人の意見をうかがいたいと思います。自己啓発本を読んで努力しようと考えても、実行するのはなかなか難しいですよね。例えば「成功した人は4時に起きている」みたいな本を読んで4時に起きてみても、昼には眠くなってしまって挫折したことがあります。お二人は、どうやって努力を続けていらっしゃるんですか?

亀田誠治(以下、亀田) うーん、努力については、好きなことに夢中になっているうちに時間が経っている、という感じなんですよね。4時起きは相当やばいですよ(笑)。というか、それはもう十分がんばってますよね?

— いや、でも、昼に眠くなってしまっては……。

渡辺由佳里(以下、渡辺) お昼寝したらいいじゃないですか。

亀田 シエスタ(※1)、かっこいいですよ。

※1 スペイン語で昼、昼休憩を指す言葉。午睡を意味することも

渡辺 そうそう、仕事ができる人で、シエスタを奨励している人けっこう多いですよ。私の知り合いのCEOも昼寝が大好きで、会社に「昼寝室」をつくっています(笑)。社員もその部屋を予約して、寝に来るんです。

亀田 僕ね、自慢じゃないですけど、仕事をはじめてこの25年間、一度も完徹(完全徹夜)したことがないんです。1時間か2時間は、絶対どこかで睡眠をとっています。だって、体がもたないですもん。僕だって、寝ないとがんばれないです。

渡辺 そもそも、「こんなに早く起きた」とか「こんなに寝てない」とか、がんばり競争しなくていいんですよね(笑)。

亀田 そうそう(笑)。きっと、4時に起きている人は、そのほうが調子がいいから起きてるんだと思いますよ。

渡辺 私も毎日ランニングしてるって言うと、すごくがんばってるように思われるんですよ。でも私としては、気持ちいいから続けてるだけなんですよね。それと同じだと思います。本にも、「1万時間の法則」は絶対じゃないと書きました。

— なにかの分野で成功している人はそれを1万時間は練習している、逆に言えば1万時間練習すれば成功できる、という話ですね。

渡辺 1万時間練習して世界レベルになれる人というのは、そのことが楽しかったり好きだったりしてずっとやり続けているうちに、1万時間に達してるだけなんだと思います。

亀田 強制的にやらされたら、そうはならないですよね。

素晴らしい仕事を生み出すのは、技術だけではない

— でも、お二人はがんばり続けた結果、プロのミュージシャン・プロデューサーになれたり、翻訳家になれたりしたわけですよね。

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どうせなら楽しく生きたい人へ

渡辺由佳里 /亀田誠治

洋書のレビュアーであり、『グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ』の訳者としても知られる渡辺由佳里さんが、エッセイ集『どうせなら、楽しく生きよう』という本を出版。有名人から高校生まで、国内外のさまざまな人のエピソードを紹介しながら...もっと読む

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コメント

0501Can #亀田誠治 3年弱前 replyretweetfavorite

sakutashiryou 心の隙間がぬくぬくに。 3年弱前 replyretweetfavorite

junminaguchi 亀田 はい。僕が今から、すべてのことをやめて 3年弱前 replyretweetfavorite

Kalokairi_Lykos 頑張ってるとどーしても周りと比べちゃうけど、自分が好きだから!を突き詰めていく方がシアワセ度高いかもしれない 3年弱前 replyretweetfavorite