ついに書籍化決定!
本連載をまとめた書籍『すべてのニュースは賞味期限切れである』が、12月26日にアスペクトより発売されます。速水健朗とおぐらりゅうじ、ふたりのライターが好き勝手論じてきた2014年のニュースに加えて、その後の追加コメントもたっぷりの一冊。年末年始、一年の振り返りにぜひご購入ください!
密漁船に政府が対応できないなら……
速水 最近一番驚いたニュースが、小笠原付近で中国のサンゴ密漁船がやってきた話ね。中国の密漁船が数隻いますよくらいじゃ驚かないけど、200隻ってそれ密漁ってレベルじゃないだろって。
おぐら 密漁ってこっそりやるイメージですけど、大挙して来てるわけですから。
速水 「密漁テロ」って言い換えていいんじゃない? しかもこの事件、もっと大ごとになると思ったらAPECでの日中首脳会談があって、それが終わったら衆議院の解散騒動があって、ないがしろにされてきた感じがする。11月の半ばになっても、小笠原諸島近海にはまだ100隻以上来ているにもかかわらず。
おぐら 領土防衛としては、尖閣諸島の方が重要なので、海上保安庁の警備が手薄になっているのを狙ってるんじゃないか?って話もありますね。9月くらいから徐々に来るようになって、10月に200隻を超えるくらいの数になったとか。
速水 藤子不二雄Aの『魔太郎が来る!!』に「やどかり家族」っていう話があるのね。魔太郎のパパが酔っ払って知らない人を家に連れてくるの。そのおじさんは、家に居座ってそのうち奥さんや子どもを呼び寄せて、魔太郎の家族を追い出そうとするの。
おぐら 中国の密漁船も最初はこっそりやっていたけど、途中から「あれ、意外といける?」なんて思って仲間を次々と呼び寄せ、やがて当たり前のように日本の領海で漁をするようになり、最終的には日本の漁船が追い出される……「やどかり漁船」ですか。
速水 いわゆる左派の人たちは、特定秘密保護法も集団的自衛権の閣議決定とかも「安倍政権は戦争がしたくてたまらないんだ」って主張してきたわけでしょ。それが、いざ中国の漁船が200隻も領海侵犯してサンゴの密漁をしてますよってなったところで、政府は弱腰の対応しかできないわけ。何が戦争したくてたまらないだって思うよね。戦争しろとは思わないけど、片っ端から拿捕するくらいはしてもいいでしょ。
おぐら これだけ数も多く、海上保安庁の拠点もないとなると、一網打尽とはいかないんでしょうかね。じゃあ、どう対処すればいいんだろう。
速水 中国政府にお願いとかしてるわけでしょ。そんなこと言うからなめられるんだよ。まあ、でも日本的伝統としては、神風が吹くのを待つ辺りの選択肢しかないんでしょう。
おぐら 実際、台風20号が接近したときに大半の漁船が一時的に退避したらしいですからね。台風が去ったらまた戻ってきましたけど。もうそれ普通の漁じゃん!っていう。
速水 国内の防衛力が期待できないのであれば、尖閣諸島を都が購入しようとしたときの寄付金14億円を活用するのはどうだろう。自然破壊なんだからシーシェパードに献金して排除してもらうとか。テロにはテロでお返しと。
おぐら たしかに、シーシェパードなら彼らと戦えそうですね。でもそれ、かなり人任せでダメな解決策ですね(笑)。
ミニモニ。の元メンバーはこの先生きのこれるか
おぐら ところで、シーシェパードといえばミニモニ。ですよね。今はやっぱりミニモニ。ですよ。
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