リズム」に憑かれた男—フェルディナント・ホドラー展

フェルディナント・ホドラーという画家をご存知ですか? ゴッホなどと同時代に活躍したスイスの画家です。東京・上野の国立西洋美術館で開催中の「フェルディナント・ホドラー展」では、並んだ裸体、繰り返し描かれるアルプスの山々などの作品が見られます。しかし、そうしたものを通じて画家が憑かれたように追求しているのは「リズム」。大胆な構図の中に隠された線のふるえから、反復されたモチーフの中から、生命の躍動感を感じ取ってみてください。

主題は、リズム。音楽が流れ出てくるような絵画と出合うために、今回は出かけてみましょうか。

《感情Ⅲ》 1905年  ベルン州 ©Kanton Bern (Prolith AG, Bern)

絵画とは、何を表すものなのでしょう。目の前の光景を本物そっくりに、または人物の面影をそのままに写し取ること? たしかに、現実の似姿をつくろうとするのは、もちろん絵画の大きな目的であり続けてきました。

西洋に伝わる話によれば、絵画の起源とは、古代に生きていたある女性が、遠くへ旅立ってしまう愛する男性を日なたに立たせ、その影をなぞって姿を留めようとしたことであるといいますよ。そのころから、現実そっくりのものを手元に残す手段として、絵画は使われてきたのです。

でも、それだけじゃないんですね。実際には目に見えないものに、形を与えてみたい。そんな欲求も人間にはあって、絵画はそうした願いも、ときに叶えようといたします。東京・上野の国立西洋美術館で開催中の「フェルディナント・ホドラー展」では、その格好の例を見ることができますよ。

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アート・コンシェルジュからの便り

山内宏泰

世に“アート・コンシェルジュ”を名乗る人物がいることを、ご存じでしょうか。アートのことはよく知らないけれどアートをもっと楽しんでみたい、という人のために、わかりやすい解説でアートの世界へ誘ってくれる、アート鑑賞のプロフェッショナルです...もっと読む

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yumenomamadeha この前チューリヒ美術館展で見たホドラーの絵がとてもよかった。この展覧会も行ってみたい。 約4年前 replyretweetfavorite

penguinsproject この前チューリヒ美術館展で見たホドラーの絵がとてもよかった。この展覧会も行ってみたい。 約4年前 replyretweetfavorite

umurao |どこより早い展覧会案内ーーアート・コンシェルジュからの便り|山内宏泰|cakes(ケイクス) 見に行きたすぎる。 https://t.co/nuarhnVkBG 約4年前 replyretweetfavorite