蒼井優「『まっすぐ悩むこと』は大事。」

女優の蒼井優さんが、先輩たちの言葉を聞き、その言動から学んだ体験を、ぎゅっと濃縮した初めての対談集『蒼井優 8740 DIARY 2011-2014』が刊行されました。約3年間、33人のゲストと重ねてきた素敵な会話をまとめた1冊を通して、言葉と真剣に向かい合ったといいます。2回目は、悩みにきちんと向かい合うこと、そして想いを託すのに大切な言葉について伺いました。

蒼井優がいま輝いている3つの理由

29歳まだまだ深く成長中!
10代からより20代からの10年のほうが“深い”と語る蒼井さん。10年以上、映画・ドラマ・舞台で数々の主演をこなし、今もまだまだ急成長中。

「言葉」について真剣です!
「言葉」の力にセンシティブで、目の前の相手にしっかり想いを送り届けようとする蒼井さん。演技のセリフはもちろん、インタビューで話す言葉も丁寧に紡いでくださいました。

初の対談集のお相手は全33名!
小泉今日子や大竹しのぶなど、尊敬する大先輩とフラットな会話。3年間の成長の記録としてだけでなく、それぞれに受け継がれる言葉と想いが濃密につまっています。

言葉の怖さと素晴らしさを、もっともっと感じようよって

— 対談相手には、「先輩」方が数多く登場していますね。

蒼井優(以下、蒼井) そうですね。その中に、水原希子ちゃんみたいな妹のような存在や、同世代だけど第一線で活躍している方たちのお話もぜひ聞きたいなあと思って、声をかけさせてもらいました。

— 実は、対談集の中の、この人のこの発言が素晴らしかった……と選ぼうとしても、なかなか選べないんですよ。なぜなら33名の言葉の中に、必ずひとつはキラーフレーズがあるんです。

蒼井 確かに(笑)。先輩方は私より長く生きてきたぶん、言葉にすごく厚みがあって、しかもそれをさらっとおっしゃる。わあ、かっこいいなあっていつも思っていました。

— 対談は、1回あたりどれくらいの時間お話されたんですか?

蒼井 1時間以上、です。活字になっているのは、本当に一部。

— 記事の中に、ぎゅっと凝縮してあるわけですね。しかも、ぐっとくる名言だけでなく、お互いの関係性や現場の空気感もちゃんと記録されていて。

蒼井 素晴らしいライターさんのおかげです。一緒に会話を楽しんでくださるライターさんだったり、編集さんだったから良かったと思うんです。決して「これはお仕事です」っていう場にならなかったし、映画や舞台などのプロモーションの場にもならなかった。きちんと話をするっていう、そのことがぶれずに最初から最後までいけたんです。だから、現場ではどうでもいいような会話もたくさんしてるんです(笑)。そういった会話も含めて、すごく貴重な時間でした。

— 雑誌の連載だったものを本にするために、これまでの対談を読み返す機会があったと思うんですが、改めてどんなことを感じましたか?

蒼井 実は、もともとは本にするつもりはなかったんですけど、自分が一冊の本としてまとめて読みたくなってしまったんですね。それで読み返してみたら……自問自答して生き続けている人から発せられる言葉って、澄んでいる。それが一番の印象的でした。先輩たちのように、「まっすぐ悩むこと」は大事だなって。

— 「まっすぐ悩む」とは?

蒼井 悩んでいる途中で、いいように解釈して悩み続けるのを回避して……ということは、応急処置としてはいいかもしれないけれど、あくまで応急処置でしかなくて。膿は除かなければいけないし、まっすぐ傷口と向き合うという作業を怠ると、のちのちダメになっていくと思うんです。
 悩むだけで終わったらただの感情の話だから、悩んだうえで、考える。自分なりの答えを出して次に行く、ということは私も常にやっていたいなと思います。

— 蒼井さんのその姿、対談集の中にも記録されていた気がします。

蒼井 でも、私はどうしても、自問自答が濁るんです(笑)。まだまだだなあと思いますね。先輩方は、さすがだなあって。どれだけていねいに生きるかっていうこと、どれだけ正々堂々と戦うかっていうこと。先輩方がそのことを背中と言葉で教えてくれるから、すごく希望が持てる。先輩方と話すと、希望しかないんです。

発した言葉は、相手の心の中にいつまでも残るかもしれない

— 今、「まっすぐ悩む」ことについてのお話を聞きながら、昨年急逝されたヘア&メイクアップアーティストの宮森隆行さんとの対談のことを思い出しました。宮森さんの言葉を引用しますね。「悩んだ時こそ情報に頼らず、ひたすら自分と向き合うこと」。

蒼井 本当に、その通りだと思うんです。でも、それはすごく難しいこともであって。

— この本が感動的なのは、宮森さんのお弟子さんである、ヘア&メイクアップアーティストの赤松絵利さんとの対談も載っていることなんです。「女の子が本来しなくちゃいけない努力は、目を大きく見せることではなく、自分らしくなる努力だと思う」。彼女の言葉は、師匠とすごく似ていますよね。

蒼井 想いは継承されていくものなんだなって、私も感じました。人の想いは確実に、目に見えないけど受け渡しされていて。その伝達方法っていうのはやっぱり、言葉なんです。だから、言葉っていうのは大切にしなければいけない。会話の中の言葉は発した瞬間に消えていくものだけど、相手の心の中にいつまでも残るかもしれないからこそ、言葉は真剣に選ぶべきなんだって思うんですね。

— 自分は言ったことを忘れていても、その言葉を相手は覚えていることってよくありますもんね。

蒼井 今、いろんなメディアを使って、会話を文字にする機会がとっても増えている。その怖さと素晴らしさを、もっともっとみんな感じようよ、と。汚い言葉を残すべきじゃない、きれいな言葉を残していこうよって、すごく私は思うんです。

— それが、希望につながっていく。

蒼井 はい。もちろん「言論の自由」というものがあるのはわかるけど、私自身の感覚としては、自由だからといってどんな言葉を使ってもいいということはないと思う。この本を読んだ方が、少しでも言葉との向き合い方とか、言葉の強さっていうのを感じていただけたらなと思うんです。


さらなるインタビューが、dmenuの『IMAZINE』でつづいています。
いつか“自分に生まれてまんざら悪くなかったな”って思いたい
ぜひこちらからお楽しみください。

蒼井優(あおい・ゆう)

1985年8月17日生まれ、福岡県出身。1999年、ミュージカル「アニー」でデビュー。2001年、『リリィ・シュシュのすべて』で映画デビュー。主な出演作に映画、『花とアリス』、『ハチミツとクローバー』『東京家族』『春を背負って』、NHK大河ドラマ『龍馬伝』、舞台『サド侯爵夫人』、そして2015年2月7日からの舞台『三人姉妹』などがある。

構成:吉田大助 撮影:嶋本麻利沙


女優・蒼井優が本当に会いたい人たち33名と“はなしを"してきた豪華対談集、ぜひお手にとってご覧ください!

野田秀樹/宮森隆行/岩井俊二/タナダユキ/黒田育世/小松真弓/皆川明/ケンタロウ/市川猿之助/犬塚朋子 小泉今日子/野村萬斎/伊藤佐智子/チャットモンチー/朝海ひかる/佐藤健/笑福亭鶴瓶/香川照之/羽海野チカ 古田新太/鈴木敏夫/上田智子/高橋ヨーコ/リリー・フランキー/スズキタカユキ/深川栄洋/佐藤雅彦/水原希子 高崎卓馬/柄本佑/赤松絵利/山田優/大竹しのぶ (敬称略:対談順)

蒼井優 8740 DIARY 2011-2014
『8740 DIARY 2011-2014』蒼井優

dmenu

この連載について

初回を読む
いま輝いているひと。

cakes編集部

あの人は、どうして輝いているのか。いま目が離せないあの人に、たっぷりお話を伺います。

この連載の人気記事

関連記事

関連キーワード

コメント

satoh1010_d 自省やな。 https://t.co/KedDHpVs1D 12ヶ月前 replyretweetfavorite

t_hirayama0227 言葉を選びながら話せる人って素敵です。ただ単に好きなだけかもだけど。→ 2年弱前 replyretweetfavorite

sei16 「まっすぐ悩むこと」は大事。| 3年以上前 replyretweetfavorite

moonlightginga (*´-`) “@aoi8740diary: 【蒼井さんインタビュー情報!】 cakes(ケイクス)さんのロングインタビュー2回目が本日アップされました。ぜひ読んでみてください! https://t.co/JNOiyNqiqn” 3年以上前 replyretweetfavorite