むっちむっちむっちむっち……
歯を押し返す弾力の生春巻き!
「生春巻き」を初めて食べたのは、大人になってからだと思う。
エスニック料理店で口にし、「春巻きなのに、揚げなくていいんだ!」と驚いた。
大学生のバックパッカー時代は、東南アジアへ行くことが多かったので、
タイやベトナム、ラオス、カンボジアで何度となく生春巻きを食べた。
数種類の野菜、海老、春雨などを、米で作った薄い皮で巻く郷土料理。
さっぱりしたノンオイルのたれをつけて食べることが多くて、
確かに、蒸し暑い気候によく合うのよねー。
エスニック食材が気軽に手に入るようになってからは、自分でもよくつくった。
見栄えがいかにも「エスニック!」って感じだし、野菜もたくさんとれるし。
まあ正直、そこまでおいしいと感じたことはなかったけども。汗
でも。
な、な、なんどすか。これは……!!!!!!!!
東中野「ロムアロイ」のヌディンさんがつくる生春巻きを初めて食べた時は、
驚きのあまり、声が出ちゃったのですよ。
華やかな盛り付けに目を奪われたのはもちろん、
パツンパツンに具を巻いた生春巻きは、太くないのにみっしりと重い。
食べれば、むちむちとした皮が歯に当たり、一瞬押し返されるほど。
がぶっと噛むと、ぶわっと複雑なハーブの香り、シャキシャキ野菜、しっとり鶏肉……
スイートチリソースの甘みに、砕いたナッツの香ばしさとコリコリ感が加わる。
う、うんま——い!!!!!!
店主のヌディンさんに聞けば、「フツウニツクッテルヨー」だそうですが、
いやいや絶対なにかある!
その秘密を、今日こそ教えていただくぜー!
教えてくれたのは…
ヌディン・チュティマーさん
タイ・バンコク市出身。92年に来日。恵比寿のタイ料理店に勤務後、東中野「ロムアロイ」を06年にオープン。妥協しない材料選びと、手間暇かけたセンスのいい手作りタイ料理が人気を呼ぶ。
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