ビッグデータ “超”分析の教科書

アウトカム(成果指標)の「望ましさ」を定義せよ—分析のフレームワークを知る【第1回】

目の前の課題を解決するために、どのようにデータと取り組めばよいのか。ベストセラー『1億人のための統計解析』の著者である統計家の西内啓さんが解説していきます。
分析のフレームワークを知る【第1回】はアウトカム(成果指標)について。データ分析方針を立てる際に、 最初に考えるべきアウトカムの最適な定め方とは?
11/17(月)発売の『実践! ビジネスに役立つ “超”分析の教科書』から気になる内容を一部お伝えしていきます。

分析のフレームワークを知る

 分析方針を立てるうえで最初に考えるべきはアウトカム(成果指標)、すなわち何を最大化したいのか、あるいは最小化したいのか、という点である。

 データ分析とは何か、一言で表現するならばそれは「比較」だ。例えば来店頻度の高い顧客とそうでない顧客の違いは何か、といったようなことが分かれば、その発見に基いてキャンペーンや広告出稿プランを改善することができる。

 だが、何でもかんでも比較すればいいかというとそうでもない。ダメな分析者は大した意味もなく「午前中の来店者とそれ以外の来店者の間でヨーグルトの販売数が大きく異る」とかいうトリビアルな発見を報告してくる。しかしながら、どうしても午前中の来店者を増やしたいとか、あるいはどうしてもヨーグルトを売りたいとか、そういう意図が背後にあるのでもなければ、「へぇ?」と言われて終わりである。

 分析で価値を生むための比較軸とは、自分たちのビジネスにとって「望ましい状態」と「そうでない状態」の違いを考えるものでなければならない。そこから得られた「違い」をうまく利用して、ビジネスをより望ましい状態へ変化させるのである。先ほどの例で言えば、別にヨーグルトが売れようがコーヒーが売れようがどっちでもいい、というのであれば、わざわざ手間をかけて得た発見に大した意味はないのだ。

 このような自分たちにとっての「望ましさ」をもっともよくデータから定義したものが、アウトカムである。

望ましいか否かの「違い」を重視

 多くの統計学や機械学習の教科書においては、このアウトカムのことを目的変数とか結果変数とか外的基準といった言葉で表しているが、私がこのことをアウトカムと呼んでいるのには理由がある。

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日経ビッグデータ編集部

ビッグデータ時代が到来した今、これからのビジネスパーソンには、データを読み取り、分析する基本的な能力が求められています。このニーズに応えるため、データ分析の基本的な考え方からデータ分析に成功した企業のケーススタディ、データ分析に関わる...もっと読む

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