サラバ!』しかない—頭を抱えた書店員のオススメ

有楽町の三省堂書店は、世にも不思議な謎に満ちている。そこに迷い込んだお客は、いつの間にか本を手に取りレジに並んでしまうという――。カリスマPOP職人であり、人気書店のTwitterの中の人として知られる書店員・新井見枝香さんの愛と妄想が炸裂した書評をお届けします。

つ、ついに書きよった……!!! にしかなこっ……。

作家生活10周年を記念して書かれた、初の上下巻小説『サラバ!』を読み冒頭の発言をして以来、私はcakesで書評記事を書いていない。

『サラバ!』を書きたい。でも『サラバ!』を書きたくない。

実際、『サラバ!』以外の小説については、いくつか書いた。

そう、書けないのではない。でも、何かが決定的に足りないのだ。

もう、認めよう。

私は、今いちばん人に勧めたい小説について書くことが怖かった。逃げていた。

でも書かないことには次に進めないことも、いやというほどわかった。

『サラバ!』はあまりにもでっかくて、私にとってはもはや神様のような存在だ。

……恐れ多いんだ。書くってことは、直視するってことだ。

そんなことしたら、目が焼けてしまうよ!

でも、私の心は『サラバ!』でいっぱい。

今ぽっくり死んだら、最期の言葉は絶対「サラバ!」だ。

意味不明だよ! いや、最後なのは意味わかるけど、そりゃないだろ!?


あまりにもその小説は素晴らしかった。

あまりにもその小説は「自分」であった。

のた打ち回るくらい苦しいのに、抱き締めたいほど好きで好きで

「あ—!!!!」って叫んでしまいそうだった。

(実際、あ!と叫んだ)

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なぜ有楽町の三省堂書店は手ぶらで帰してくれないのか

新井見枝香

有楽町の三省堂書店は、世にも不思議な謎に満ちている。そこに迷い込んだお客は、いつの間にか本を手に取りレジに並んでしまうという――。カリスマPOP職人であり、人気書店のTwitterの中の人として知られる書店員・新井見枝香さんの愛と妄想...もっと読む

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コメント

yrakch_sanseido 嬉しい!“@Getgotta: こんな熱量の書評(!)で「届け!!!」って。そりゃ届くよ ” 4年弱前 replyretweetfavorite

Getgotta こんな熱量の書評(!)で「届け!!!」って。そりゃ届くよ 4年弱前 replyretweetfavorite

yumininomiya 有楽町三省堂書店、書評一つでグラグラしてるのに、実際行ったらホントに棚買いしちゃいそう…w  ⇒  4年弱前 replyretweetfavorite

yoshiken1963 書店員さんのブログが上手すぎる! 4年弱前 replyretweetfavorite