売れっ子・蜷川実花の作品がずらり
色に、溺れる——。そんな体験をしたこと、おありでしょうか。いまなら東京・六本木で味わうことができますよ。東京ミッドタウンの一角にあるフジフィルム・スクエアではじまった、「蜷川実花写真展」です。
蜷川実花といえば、かわいいモチーフをビビッドな色合いで表現する写真作品によっておなじみですね。日本で暮らしていれば、だれもがどこかで彼女の写真、目にしたことがきっとおありでしょう。売れっ子ですから、あちこちの雑誌、広告などに彼女の撮影したものは載っていますし、それに、いちど見たら忘れられない強烈な個性が、彼女の画面全体からはあふれ出ていますからね。
蜷川実花の最大の持ち味といえば、まずは色彩。「蜷川カラー」とも称される色は、なぜか他の人にはちょっと出せないものになっています。今展でも、その本領は思う存分、発揮されていますよ。花や金魚といった、蜷川作品によく出てくる被写体を撮った作品群は、色、色、色の洪水のよう……。画面からこぼれ落ちそうなほどの勢いで、色が迫ってきますよ。
でも、会場に身を置いていると、不思議な気もしてきませんか? なぜ彼女だけが、これほど鮮やかで強烈な色味を出せるのかと。彼女は、撮った後で写真に加工をすることはないと公言しています。ということは、どこか現実の世界に、画面に現れているような色彩豊かな場と瞬間があるということ? わたくしたちはそんな場面に、日常生活で出合うことってまずありませんけれど。蜷川実花の周囲にだけ、特別な色の世界が顔を覗かせたりしているんでしょうか。
蜷川の色の秘密を、会場でちょっと探ってみましょう。
じっと目をこらすと見えてくる「蜷川カラー」の秘密
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