お金」って何だろう?

格差」は本当にいけないものなの?

経済発展にともない、国家間の争いは起こりにくくなった、と考えられている現代。しかし日本をはじめとし、世界では、広がりつつげる「格差」の問題が新たに生まれています。誰もがわかっているようで、わからなかった「お金の本質」を、岡田斗司夫と山形浩生がわかりやすく解き明かします。光文社新書『「お金」って、何だろう? 僕らはいつまで「円」を使い続けるのか?』(山形浩生 、岡田斗司夫 FREEex 著)より抜粋して公開。

戦争はなくなったが、格差は広がった?

岡田 マーシャルプラン以降、他国への経済援助が優先されてきた理由は、平和を実現するには経済発展が最も効率的だと考えられたからでしょうか?

山形 はい、基本的にはそうです。

岡田 世界のどの国も極端に貧乏ではなく、お互い取引していたら、戦争なんか起こらないよと。逆に、極端に貧しい国とか、貧しくなくても疎外されている国があると、戦争という現象が起こりやすい。それぞれの国が経済的に成長していて、貿易が活発に行われている状態こそが望ましい。第一次世界大戦、第二次世界大戦を通じて、人類はその教訓を得たんですね。

山形 無理矢理にでもEUを作って、ヨーロッパ諸国が相互依存する仕組みを作ったのは、まさにそれです。
 ただ、豊かになれば戦争したがらないというのは本当らしいのですが、最近のテロ活動にはそれが当てはまりません。昔は、貧乏な奴らがテロを起こすのかと思われていましたが、調べてみると、意外に金持ちがテロリストだったりする。金持ちが大学に行って、変な思想にかぶれて、ガールフレンドもいなくて暇だったりすると、テロリストになりやすいらしい。
 2010年の「アラブの春」以降、アラブ世界の大学生は職がないと騒いでいますが、単純労働であればいくらでも仕事はあるし、警官や軍人も足りていません。けれど、高等教育を受けた若者が満足して働けるデスクワークはないから、不満が出ている。それがアラブの春の本質です。だから、経済発展して、みんなの教育水準が上がれば争いがなくなるとは言い切れません。

岡田 経済発展によって国家間の戦争は起こりにくくなったけど、テロは増えるようになってきたと。仕事があるといっても、一部の者しか高給取りの仕事に就けないというのは、つまり格差が広がっているということでしょう。つまり、人類が解決すべき大問題が、戦争から格差に変わってきたという認識で合ってますか?

山形 世界全体では戦争が減り、病気の予防・治療法も進歩してきましたから、残った問題は格差くらいというのは、ある意味事実でしょう。

格差があるとなぜいけない?

岡田 格差をなくすための方策は、ないんでしょうか?

この続きは有料会員登録をすると
読むことができます。
cakes・note会員の方はここからログイン

1週間無料のお試し購読する

cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。

人気の連載

おすすめ記事

この連載について

初回を読む
お金」って何だろう?

山形浩生 /岡田斗司夫

「お金」っていったいなんだろう。誰もがわかっているようで、わからなかった「お金の本質」を社会評論家・山形浩生さんと「評価経済社会」の到来を予言した岡田斗司夫さんが、わかりやすく解き明かします。光文社新書『「お金」って、何だろう? 僕ら...もっと読む

この連載の人気記事

関連記事

関連キーワード

コメント

kurou_77 【 ◆①戦争はなくなったが、格差は広がった?②格差があるとなぜいけない? 約4年前 replyretweetfavorite

crazymadcat なるほど。経済格差が国間問題から国内問題に移行したということか 約4年前 replyretweetfavorite