金持ちやイケメンよりも○○な男のほうがモテる!?
—— しかし、藤沢さんの話を聞いていると、金持ちやイケメンが女を独占する、そんな殺伐とした恋愛市場のようです……。
藤沢数希(以下、藤沢) ハハハ。それは、大きな誤解ですね。じつは、ここが恋愛工学が解明した、最もエキサイティングな部分なのですが、恋愛市場でモテる男というのは、金持ちでもイケメンでもないんですよ。
—— えっ、そうなんですか?
藤沢 そもそもの恋愛工学の研究をはじめた動機が、どんな男がたくさんセックスできているかと調査したところ、必ずしも世間一般で言われている、高学歴、高年収の男たちのようなハイスペックな男性たちではなかったことですから。だって、もしそうなら、恋愛工学なんか必要ないじゃないですか。単に、たくさんお金を稼いで、出世すればいいだけですよね。でも、そうじゃない。
—— じゃあ、「※ただし、イケメンに限る」ということですか?
藤沢 いや、そうでもないところが、非常におもしろいのです。一言で言えば、モテる男と非モテの男を分けるのは、その「振る舞い」にあるのです。
—— 振る舞い?
藤沢 どのように振る舞えばいいか、というのが、じつに直感に反しているのです。世の中の恋愛コラムなんかを書いている女性たちが、こうやれば私たちに好かれますよ、とご丁寧にも上から目線で教えてくれていることの反対をやればモテる、という驚くべきことがわかってきたのです。
—— どういうことでしょう?
藤沢 たとえば、女性の恋愛コラムニストは「マメな男はモテる」とかよく言うじゃないですか。
—— 言いますね。
藤沢 あれ、嘘ですから。単に、この前飲んだ勢いでセックスして、ちょっと好きになっちゃったあの男が、私に全然連絡して来ない。早く、連絡して来いよ!っていう、彼女たちの心の叫びみたいなものを、体よくアドバイスという形で表現しているだけなんですよ。
—— ああ、なるほど。
藤沢 他には、モテる男っていうのは、別け隔てなく、すべての女に優しくする、とかも言うじゃないですか。
—— はいはい、言いますね。
藤沢 あれ、単に、可愛い一部の女だけに行くんじゃなくて、社交辞令でもいいから、私にも優しくてしてよ、というのを遠回しに言っているだけなんですよ。
—— ああ、なるほど。
藤沢 結局、女の人が発する男性向けの恋愛アドバイスなんて、いかに都合のいい男を作り出すかのプロパガンダでしかありません。そういう女の人が、アドバイスに従っているような誠実なジェントルマンとセックスするかというと、ぜんぜんそうでもないんですよ。美味しいところをサクッと持っていく男は、いけ好かないダメンズだったりするわけです。
—— 確かに。
藤沢 女の人にモテる方法を、女の人に聞くと、とんでもないことになります。単なる被搾取階級に成り下がるだけですから。
—— それでは、どうしたら男性はモテるんですか? いったいどうすれば美味しいところをサクッと持っていける、そんなダメンズになれるんでしょうか?
女の人の男の選び方は常に間違っている
藤沢 生物学的に、どのようなオスがモテるのか、を定義するのはとても簡単です。基本的にすべての生き物は、進化を通して、自分の遺伝子(Genes)のコピーをなるべく増やそうとするようにデザインされています。男性は、女性とたくさんセックスをすればいいわけです。だから男性の行動を司る性欲はそのようになっています。
—— なるほど。
藤沢 しかし、女性の場合はそう単純ではありません。生涯で産める子どもの数は限られているのです。自分のお腹の中で育てなければいけません。ある程度大きくなるまで授乳もしなければいけません。
—— 女性の負担はかなり大きいですね。
藤沢 女性は男性よりも子を産み育てるコストが高いので、慎重に相手を選ばなければいけません。そこで相手を選ぶ指標になるのが、“Good Genes”と“Good Dad”というふたつの価値です。
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