若い女が嘘をつき 俺はそれを信じる
もちろん嘘だと知ってはいるが
まだ若く 世間を知らない男だと
彼女が思ってくれるなら
俺は信じたふりをする
だが本当は彼女も知っている
俺の若さは遠い昔に消え失せたこと
ふたりそれぞれ真実を隠し合い
彼女は自分の嘘を明かさず
俺も年を取ったとは言わない
愛の最良の衣装 それは信頼を装うこと
ふたりの嘘が必要なんだ
信じたふりがよく似合う
年の離れたふたりが笑う
「若い女が嘘をつき」
ウィリアム・シェイクスピア(1564~1616)