ビッグデータ “超”分析の教科書

ビッグデータで社会はどう変わる?—北川拓也×ケネス・クキエ対談【後編】

日米気鋭のデータサイエンティストが考える未来とは。ベストセラーとなった書籍『ビッグデータの正体』の共著者で、英エコノミスト誌のデータエディターであるケネス・クキエさんと米ハーバード大で物理学とデータ分析を学び、帰国後は楽天執行役員に就任し、データを利活用した新しい展開を模索する北川拓也さんの対談が実現しました。ビッグデータについて深い見識を持つ2人に、これから社会や経済、人々の生活がどう変わっていくのでしょうか。後編では、企業経営におけるビッグデータの扱い方について、日米の気鋭のサイエンティストが語り合いました。
11/17(月)発売の『実践! ビジネスに役立つ “超”分析の教科書』に先駆け、気になる収録内容をお伝えしていきます。

試行錯誤から学ぶ経営に 今後は可能性がある

ケネス・クキエ(以下、クキエ) 何よりビッグデータが社会や経済、人々の生活に与えるインパクトは衝撃的なものになると思います。例えば、産業革命が起こる前、欧州では地中海沿岸やスペインといった河川や海へのアクセスに優れた地域が繁栄しました。河川や海が主要な交通路だったからです。しかし産業革命が起き、蒸気機関で陸の上を乗り物が動くようになると、アクセス経路としての河川の優位性はなくなって、これらの地域は歴史の後景に下がり、新たな中心エリアが勃興してきました。ビッグデータはこの産業革命と同規模のインパクトを、社会や経済にもたらすでしょう。

 もう1つ、ビッグデータの利活用が広がると、数学が重要になります。日本とフランスは数学の素養、数学の教育という意味で国全体のポテンシャルが高い。日本はつい最近まで〝失われた20年〟を過ごしましたが、今はアベノミクスの進展とビッグデータの利活用で復活する局面にある。数学のポテンシャルの高さを考え合わせると、これからに期待が持てます。

北川拓也(以下、北川) 大変勇気づけられる発言です(笑)。私自身は企業経営にも大いに関心があります。どのように戦略を立て、市場でどんなポジションを獲得するか。どのようなマネジメントによって人のモチベーションを引き上げるか──。

 ビジネススクールでは、こうした経営に関する知識を「事前に考えて」経営するか、「学びながら」経営するか、2つのアプローチを示します。別の言い方では、戦略的アプローチか、組織能力的なアプローチか、とも言えます。ビッグデータ時代にはどちらのアプローチがよりよいでしょう。

クキエ 3つ目のアプローチがあり得ます。「行うこと、何度も繰り返し挑戦することによって学び」経営するというものです。まずトライし、結果をデータとして蓄積し、またやり直す。このプロセスを繰り返すことで常に学習し、経営に生かすのです。

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日経ビッグデータ編集部

ビッグデータ時代が到来した今、これからのビジネスパーソンには、データを読み取り、分析する基本的な能力が求められています。このニーズに応えるため、データ分析の基本的な考え方からデータ分析に成功した企業のケーススタディ、データ分析に関わる...もっと読む

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