やや間があきましたが、この連載では、ここしばらく「働く人」の二極化、中間層の仕事が減っていくこと、楽観的な老人と、雇用や将来が不安なので保守化する若者は、決して日本だけの問題ではないということを書いております。
今回もOECDの「Growing Income Inequality in OECD Countries: What Drives it and How Can Policy Tackle it ?」という報告書に関する続編であります。
過日のコラムではグローバルな貧富の差の拡大の要因は、「グローバリゼーション、技術の進展、規制や構造改革」「家族の形態の変化」「税や社会保障の仕組みの変化」の3つだとご紹介しましたが、さて、このような変化の中で我々が自衛して行くにはどうしたら良いのでしょうか?
ワタクシは気がついたら中年になっていました。この先どうするべきかというのは、他人事ではなく自分事であります。莫大な資産があればそんな事は心配しなくても済むわけですが、ワタクシも資産などほとんどない水呑み百姓的庶民であり、赤子を抱える身でもありますので、日々ネットを巡回してどうでもいいネタを探す一方で、こういうお固いことも考えているのであります。
貧富の差のなかで生き残る方法
さて、まずOECDの報告書からわかることは、今後も稼げる労働者として生き残りたいなら、「市場で評価される技能やノウハウを身につけよ」「自分しかできない仕事を売りにせよ」、ということです。
まず「市場で評価される技能やノウハウを身につけよ」でありますが、それは「グローバルな市場で評価される技能やノウハウ」、もしくは、「ローカル市場で評価されるが海外に外注されない分野」です。前者は企画や戦略立案、マーケティング、商売の仕組みを考える能力、金融商品から富を産み出すなど、「世界中どこでも通用する能力」であります。
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