グローバルな貧富の差の拡大の3つの要因

貧富の差を緩和させるシステム、「富の再分配」があるにも関わらず、その機能が弱まり、貧富の差が広がりつつある北欧諸国。OECDの報告書に記載されている貧富の差が拡大した「3つの要因」を、May_Romaさんがひとつずつ解説していきます。

国全体の収入は増加しているのに……

少し間があきましたが、このコラムでは2月まで、「働く人」の二極化、中間層の仕事が減っていくこと、楽観的な老人と、雇用や将来が不安なので保守化する若者は、決して日本だけの問題ではないということを書いておりました。

「非正規雇用は先進国全体で増えているという恐ろしい事実」の記事では、OECDの「Growing Income Inequality in OECD Countries: What Drives it and How Can Policy Tackle it ?」という報告書で、北欧やドイツでさえ貧富の差が広がっていることが明らかになったというのをご紹介しましたが、同報告書ではさらに重要なことが指摘されています。

まず、大半の国で、トップ10%の働く人の収入が大幅に増え、下から10%の人々の収入が減り、さらに中間とトップ層の収入に大きな差がついています。つまり、国全体としては富が増えていても、多くの国で富が豊かな人に集中し、中間層とそれ以下の人々の生活が苦しくなっているわけです。

「アメリカでは豊かな人に富が集中している」、という報道を目にすることが少なくありませんが、それはアメリカだけではなく先進国全体の傾向であり、新興国でも同じことが起こっているわけです。新興国の場合は国全体が以前よりも豊かになった場合がありますが、貧富の差も拡大しているわけです。

さらに注目すべき点は、トップ10%は給料収入も増えているのですが、特に増えているのが資産からの収入です。資産とは商売をやるためのお金(資本、すなわち土地や機械など)、不動産、投資、貯金などです。特に「平等な社会」だと呼ばれていた北欧諸国とイスラエルで富裕層の資産が増えています。つまり、資産運用をやっている人、資産を持っている人はより多く儲けることができるようになったというわけです。それがアメリカや日本だけではなく、他の国でも同じ傾向だというのは単なる偶然ではなく、経済の仕組みが大きく変わっていることを示しています。

貧富の差を拡大させた「3つの要因」

同報告書ではこの様な貧富の差の拡大の原因は

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海外居住経験、職業経験をもとに、舌鋒鋭いツイートを飛ばしまくっているネット界のご意見番・May_Romaさん。ときに厳しい言葉遣いになりながらも彼女が語るのは、狭い日本にとじこもっているひとびとに対する応援エールばかり。日本でしか生き...もっと読む

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コメント

kmiya_69 続き待ってました!次回も楽しみです。 5年以上前 replyretweetfavorite

toshiro_komatsu 再確認させてもらいました。多様化が貧富の差の拡大という一様を生んでる… 5年以上前 replyretweetfavorite

May_Roma 公開しました!|イギリス在住のMay_Romaさんが「日本に縛られない生き方」を語る国際派コラム。 5年以上前 replyretweetfavorite