「働く人」の二極化はグローバルな問題である
ここしばらく「働く人」の二極化、中間層の仕事が減っていくこと、楽観的な老人と雇用や将来が不安なので保守化する若者の格差は、決して日本だけの問題ではないということを書いております。
前回のコラムでは、いろいろ困っているのは日本だけではないということを説明するために、韓国も悲惨だという例をご紹介いたしました。
さて今回はもっと恐ろしいグローバルなお話です。
日本では従来型の雇用システムの崩壊が大変だ、少子化で大変だ、ということばかりが議論されていますが、実は、「働く人の二極化」はグローバルな規模で進展しており、その最も大きな影響を受けるのは、中流のサラリーマンです。
ノーベル賞経済学者であるMichael Spence教授がフォーリンアフェアーズに発表した「Globalization and Unemployment」という記事には、以前連載で書いた日本の雇用システムの崩壊よりも遥かに恐ろしいことが書いてあります。