第11回】社長の住む街(1) “西高東低”で大きな格差の東京

社長・会長が自宅を構えるのは、どの街が多いのだろうか。今回、本誌では、上場企業の社長・会長に就任している4878人のうち、判明した2920人の社長・会長の自宅住所からランキングを作成した。まずは関東エリアから紹介。役員報酬が1億円を超える企業トップの多くは、世田谷区や港区、大田区など東京23区内でも西側に住む傾向が強い。
 夜討ち朝駆け──。企業トップの出勤前や帰宅時間を狙い撃ち、自宅前で待ち構えては突撃取材を繰り返す。新聞や雑誌の経済記者の重要な仕事の一つだ。
 

 日夜、自分の担当業界のトップたちの自宅を訪れるわけだが、都心近くに密集していれば効率よく取材できる。だが、そうは問屋が卸さない。一概には言えないが、部課長時代に購入した自宅に長く住み続けているトップであれば、郊外に自宅を構えていることが多い。ひたすら効率が悪く、記者泣かせの業界も少なくない。

 その一例が、銀行業界だ。三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)の永易克典社長の自宅は埼玉県越谷市にあり、みずほFGの佐藤康博社長は東京都下の国立市、三井住友銀行の國部毅頭取も同じく都下の町田市といった具合だ。「都心から離れ過ぎていて、とにかく効率が悪い」と、記者たちは移動距離の長さに愚痴をこぼしながら、日夜突撃取材にいそしんでいる。

 では、社長・会長が自宅を構えるのは、どの街が多いのだろうか。今回、本誌では、2012年9月14日時点で上場企業の社長・会長に就任している4878人のうち、判明した2920人の社長・会長の自宅住所から、社長・会長が住む街をランキングにした。なお、政令指定都市は区別に集計した。

 表を見てほしい。まずは、右の全国ランキング。予想にたがわず、1位の東京都世田谷区の127人をはじめ、2位の港区111人から8位の文京区42人に至るまで、上位を東京都のいわゆる高級住宅地が占めた。次いで、兵庫県西宮市の39人、横浜市青葉区の38人が続く。

 そして、左隣のランキングは東京都23区をさらに細分化したものだ。1位は港区高輪の22人。2位は大田区田園調布の15人。次いで世田谷区成城の13人、そして、渋谷区広尾の12人と続く。やっぱり上場企業のトップたちは、坪単価200万円を超えるような高級住宅地を好むようだ。

 むろん、そのためには経済的な裏付けが必要となる。1部上場企業の役員報酬の平均額は約3000万円であり、トップともなればさらにその上をいく。中には軽く1億円を超える報酬を手にするトップもおり、まさに富裕層といえるだろう。

 以降では、全国8都市ごとに社長が好んで住む街を人数で色分けし、分布図を作成した。また、その地域にはどんな有名企業のトップが住んでいるのか、その一例も記した。併せてご覧いただきたい。

断トツで社長が多いのは
根強い人気の世田谷区

 まずは、東京都から見ていこう。先述の通り、成城や深沢など数多くの高級住宅街を抱える世田谷区が1位。世田谷区宮坂には、役員報酬額トップ10の常連で、その額たるや3億8000万円(前期の役員報酬。以下同)もの報酬を得ている信越化学工業の金川千尋会長の邸宅がある。

 2位の港区は、高輪や赤坂、麻布、六本木など閑静な住宅街から商業地まで混在する地域。愛宕には、日本マクドナルドホールディングス(HD)の原田泳幸会長兼社長(3億1700万円)や、ソニーの平井一夫社長(1億5400万円)が住まう。

 3位は田園調布を擁する大田区。その田園調布にはエイベックス・グループHDの松浦勝人社長(3億7800万円)の邸宅がある。

 これら高級住宅街とは対極的なのが、4人の墨田区、5人の荒川区と足立区だ。まるで冬型の気圧配置のように“西高東低”なのが東京都23区の特徴だ。

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この連載について

富裕層のカネと知恵【4】~本邦初! 社長の住む街全国ランキング

週刊ダイヤモンド

上場企業のトップともなれば年収数千万円以上、中には1億円超も珍しくはない。そんな企業トップたちはどんな街に住んでいるのか。判明した上場企業の社長・会長2920人の自宅住所を基に、ランキングを作成した。※この連載は、2012年10月20...もっと読む

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