見えるものはなにか? —春木麻衣子「みることについての展開図」

ふだん私たちが何気なく行っている「見る」という行為。この行為についてつきつめた展示が、東神田のTARO NASU GALLERYで開催中の「みることについての展開図」です。開場に置かれているのは、どことなくぼやけた視界にも見える写真の数々。それらは実は同じものをうつしていて……。

東京、東神田のTARO NASU GALLERYで開催中の、春木麻衣子「みることについての展開図」を訪れました。ここでは視覚の快楽と、知的な刺激に満ちた展示が繰り広げられている最中ですよ。

展名のとおり、空間には「見る」ことを考える作品が置かれています。ときに、ものを見るとは、どういうことなのでしょう。日ごろわたくしたちは、あまりに当たり前のように周囲を見渡していますから、そんなことをいちいち気にしたりはしませんよね。でも、いったん考えはじめると、人の視覚とはずいぶん不思議な構造になっているし、意外といいかげんにできていることにもすぐ気づきます。

たとえば、人の視覚はいちどきには、ごく限られた一か所にしか焦点を合わせられません。いえ、たしかにものが見える範囲という意味での視野は、上下180度弱、左右は180度強もありますよ。ですが、ほとんどの場所はぼんやりとしか見えていません。その視野のなかのただ一か所だけに、両目で焦点を合わせることができて、そこだけはくっきりと像を結ぶのです。

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アート・コンシェルジュからの便り

山内宏泰

世に“アート・コンシェルジュ”を名乗る人物がいることを、ご存じでしょうか。アートのことはよく知らないけれどアートをもっと楽しんでみたい、という人のために、わかりやすい解説でアートの世界へ誘ってくれる、アート鑑賞のプロフェッショナルです...もっと読む

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