日本の雇用システムは崩壊している
前々回のコラムでは、世代間格差は決して日本だけの話だけではなく、グローバルな現象になりつつあると書きました。例えばイギリスでは、金融ビッグバンの後のバブルの恩恵を受けた50代以上は若者が享楽的な生活をしないことに驚き、高等教育を受けても仕事にありつけない若者は自分に対して厳しい生活を送らざる得ないのです。若者は楽観的で享楽的、年寄りは保守的で自分に厳しい、という従来の世代の定義が、ひっくり返ってしまっているわけです。
日本でも40代後半以後の世代は享楽的であり、それより若い世代は保守的で自分に厳しい生活を送っています。ネット論壇では40代後半以後のバブルを謳歌した世代が「貯金はするな」「大丈夫だ、人に評価されれば生きて行ける。お金なんていらないんだ」というやたらと楽観的なメッセージが度々炎上しますが、つまりそのような無責任な言動をマトモに受け止める若者は多くはないという証拠なのではないでしょうか。
さて、日本の場合、景気が悪いということの他に、外部環境が変化しているにも関わらず、一向に変化しない日本型雇用システムの機能不全が、このような世代間の定義のひっくり返りに大きな影響を及ぼしています。
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