2013年度版]神に誓ってガチですよ!
出版人の生き残り方「電子書籍と出版人の未来」篇

前回の「雑誌と書籍の現在」篇に続いて、ライターの尾谷幸憲さんが出版業界のサバイバルについて対話を続けます。何かと話題の電子書籍のマーケットに希望はあるのか? そして出版社のこれからは? ということで、「電子書籍と出版人の未来」篇です!

(前篇:「雑誌と書籍の現在」篇

 インサイダー情報満載! 業界騒然! 全出版人が泣いた!(ウソ)

 というわけでやってまいりやした、「出版人の生き残り方 [2013年度版]」の後編でございます。今回も私、尾谷幸憲(売文屋)と業界の先輩A氏(出版歴20年以上)の二人の対談によって、けっこうやばいことになっている出版業界の現状を解き明かしていこうと思います。みなさんが気になっている電子書籍のことや、出版人の未来についてなど、かなりエグいインサーダー情報が満載です。

 それでは早速、本編と参りましょう!

電子書籍でメシが喰えるのか?

尾谷「もうこうなったら、電子書籍しかないっていう意見もありますよね」

A氏「でもそれってどうなのよ? おまえ、今年の夏にアップルでオリジナルの電子書籍を出してたろ? 実態を教えろ」

尾谷「いやいや、企業秘密ですよ(笑)。でも、まあ、ひとつだけ言えるのは、はじめる前から普通に電子作ってるだけだとダメだろうな、というのはなんとなーくわかってました」

A氏「ほう」

尾谷「だから、いろいろ考えたんすよ。まず自分の得意な分野でなおかつ売れそうなものしか作らない。発売のタイミングを計る。そして製作日数は短期間、という決め事をして」

A氏「一冊どんくらいで作ったの?」

尾谷「脱稿までに8日です」

A氏「おまえ、めちゃめちゃだな」

尾谷「いや、今なら5日で作れますよ。逆にいうとそんくらいのスピードで作らないとダメっすよ、電子は」

A氏「そんなもんかね」

尾谷「で、実際にそうやって出してみたら、ありがたいことにアップルのブックランキングのベスト10に入りまして。その余波で副産物的な仕事も増えたりして。自分にとっての電子は、そういうのも含めたブランディングですね。かっこよく言うと」

A氏「つまり副産物も含めた場合の電子はアリだが、電子だけでどうにかなるとは思っていなかった」

尾谷「今の電子書籍業界って、まだモデルを模索してる段階だと思うんですよ。いろんな意味で実験段階というか。電子モノはまだネタもあるし、出す予定もあるんですけど、これだけで商売になるというのはまだ考えてないっすね」

A氏「冷静だな。でも、まあそんなもんだろうな。なのに世間では電子、電子と騒いでいる」

尾谷「なんででしょうね?」

A氏「そりゃあ、業界全体が押してるからな。まず電機メーカーが、スマホとタブレットの次に力を入れたい商品が電子ブックリーダーくらいしかない、という状況がある。そして出版社にしろアプリ制作会社にしろ、電子書籍ひとつひとつの儲けは少ないけど、コンテンツを沢山抱えていれば利益になると踏んでいる。さらに、この状況に投資しようとしている人々がいる。その三つの思惑が絡み合って今のブームが作られてるんじゃないの? よくわかんないけど」

尾谷「なるほど」

A氏「ちなみに、これ、すごいぶっちゃけトークだけど、電子書籍のサイトやアプリを開発しているプログラマーたちは電子書籍の時代が来るなんて思ってないらしいね」

尾谷「はあああ???」

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