昼は天国みたいに すばらしく
夜は神様 ありがとう
キティはとびきり きりきり美人
ワインは もちろん上等で
際限なく 求めている
俺の心臓 ドラムのひびき
赤いくちびる 暴風雨
はげしいくちづけ くぐりぬけ
まわる心は くるくるまわる
くるったコンパス 示す方角
茶色の瞳 きらきらと
俺を見つめて 小さく喉を鳴らしたキティ
華奢な体で ぎゅっと抱きしめ
離してくれない 彼女の両手
長い髪で ぐるぐる縛り
自由を奪う 俺の悪知恵
部屋にひとり 置き去りに
とびらやさしく やさしく閉めた
「長い髪で両手を縛って」
ハインリヒ・ハイネ(1797-1856)