ふだんクルマにはあまり関心のない私ですが、最近マーケティング的に興味を惹かれるクルマができました。9月末に発売されたマツダの新型「デミオ」です。
マツダと言えば、2010年に米フォードの連結対象から外れて以降、苦しい経営が続いてきました。特にわずか2年前の2012年3月期には4期連続の赤字となり、円高による販売不振で1200億円もの特別損失を計上するなど、「倒産まで秒読み」と言われたほどでした。
そのマツダが、一昨年から急激に復調しています。12年2月に発売したSUV「CX-5」、同11月に発売したセダン「アテンザ」、そして13年11月に発売した「アクセラ」がいずれも国内外で絶好調の売れ行きを記録し、米国では日本車としてトヨタ「プリウス」に次ぐレベルの販売台数を記録しました。
そこに、今回の「デミオ」のモデルチェンジです。デミオと言えば、ホンダ「フィット」やトヨタ「ヴィッツ」など、各社の売れ筋モデルと真正面からぶつかるコンパクトカーです。今回のモデルチェンジがどれほどのインパクトがあるか、まずは以前のモデルと今回のモデルの画像を見比べてみてください。
旧モデル
新モデル
いかがでしょうか。明らかに「雰囲気」がガラッと変わったと感じられるかと思います。
風船のようなフィット、振動の激しいヴィッツ
この新型デミオは、正直言ってまったく「コンパクトカー」らしくないコンパクトカーです。どういう意味か。その説明をする前に、このクラスの競合車種とされるトヨタ「ヴィッツ」とホンダ「フィット」をご覧ください。
cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。