日本国宝展」—圧倒的な存在感にひれふす

「国宝」といえば美術品の最高峰、というイメージがあります。そのイメージを裏切らずむしろ更新してくれること間違いなしなのが、上野の東京国立博物館の「日本国宝展」。合掌しているようなポーズをとる土偶から、まるで言霊がやどっているようにすら思える流麗な文字の並ぶ「日本書紀」まで、じっと眺めていたくなる存在感を放っています。晴れやかな週末、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

「国宝」という響きを聞いただけで、そりゃもう美術品の最高峰なのだろう! という気がしてきますね。まったくその通り。その名に恥じぬ圧倒的な力で、観る側の身に迫って来る作品がずらりそろっているのが、東京・上野、東京国立博物館で開催中の「日本国宝展」です。

広い展示空間に、あちらを向いてもこちらを向いても国宝ばかり、約120点を並べたのが同展。日本には千点あまりの国宝が存在しますから、そのおよそ1割が集結しているということになりますね。

会場はなかなか壮観です。なにしろ日本史か美術の授業の時間、何気なく開いていた教科書に載っていた作品の数々が、目の前にあるのですから。たとえばケースに収まって虚空に視線を向けているのは、完全なかたちで発掘された土偶たち。ハート形の輪郭が愛らしい《縄文のビーナス》や、臀部が張り出した《縄文の女神》もすばらしいですが、《合掌土偶》の完成度にも目を見張ります。縄文時代の人々の敬虔な気持ちが、ダイレクトに伝わってくる気がいたしますよ。


《合掌土偶》縄文時代後期 八戸市埋蔵文化財センター是川縄文館蔵

長い長い巻物が置かれています。見事な達筆で、漢字ばかりの記述が延々と続いています。何が書かれているのかと覗けば、これが《日本書紀》で、平安時代の写しだといいます。720年に完成された日本で最初の正史を記した書物ですよ。言葉に生命力を見出す「言霊」という言い方がありますが、丁寧に書かれた一文字ずつには、まさに言霊が宿っているかのようです。

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アート・コンシェルジュからの便り

山内宏泰

世に“アート・コンシェルジュ”を名乗る人物がいることを、ご存じでしょうか。アートのことはよく知らないけれどアートをもっと楽しんでみたい、という人のために、わかりやすい解説でアートの世界へ誘ってくれる、アート鑑賞のプロフェッショナルです...もっと読む

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mottocomo 三連休の予定できたー。→ 3年以上前 replyretweetfavorite

jazzyourself 土偶見たいな〜 3年以上前 replyretweetfavorite

senahatetsuya 見に行きたい。 3年以上前 replyretweetfavorite