最後は「いい人」が生き残る

今回登場するのは、“トモカズさん”。岡田さんは、彼を「五〇個のお手伝いの完成型」だと評します。シンセサイザー業界で働いていた彼は、業界の変化とともに働き方も変えていきました。そこから見えてくる「人間の値打ちを決める“三つのC”」とは? 好評発売中のPHP新書『僕たちは就職しなくてもいいのかもしれない』(岡田斗司夫 FREEex著)の一部を、特別に公開いたします!

「五〇個のお手伝い」 完成形

 うちの社員、FREEexのメンバーにトモカズというヤツがいます。彼は「シンセサイザー業界」で働いていました。シンセサイザーのプログラミングをやっていたんですよ。YMOに代表されるニューウェーブ=テクノポップ系の音楽が一世を風靡した時代に、その業界に飛び込んだそうです。
 そのころは、シンセで音楽のプログラミングができるというのは特殊な技能でした。だから、収入もちゃんとあった。
 ところがその後、シンセは高機能になるのに反して価格がしだいに安くなっていきます。それまで数千万円もしたシンセが数十万円になって、しまいには数万円ほどになってしまいました。それにともない、シンセをプログラミングする技能もコモディティ化していったのです。
 それでも、トモカズ君が勤めていた会社はシンセサイザー系の音楽を手広く手がけていたので、いちおうは仕事を取ってくるわけです。
 トモカズ君の仕事はシンセのプログラミング……のはずなのですが、その関連の仕事、たとえばシンセをセッティングする仕事、シンセをコンサート会場へ運ぶ仕事などもこなすようになりました。そのうちシンセだけでなく、あらゆる楽器を運ぶ仕事、現場で配線をする仕事、レコーディング作業をするときに音響設備をハンダづけする仕事なんかも請け負うようになります。ついには、そのハンダづけをするためのコードをちょうどいい長さに切る仕事までやったそうです。

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僕たちは就職しなくてもいいのかもしれない

岡田斗司夫

就活や会社生活に疲れきったすべての日本人に贈る1冊。 就職や仕事の問題に悩んでいるみなさん、「仕事サーファー」「愛されニート」という生き方を選んでみるのはどうですか? 「評価経済社会」の到来を予言した稀代の評論家・岡田斗司夫氏...もっと読む

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コメント

moe_sugano コンテンツ→コミュニティ→キャラクター→ 3年以上前 replyretweetfavorite

natsunatsuna 正直、「いい人」は生き残れないって思ってた。 3年以上前 replyretweetfavorite

17310630 読みます。改めて岡田斗司夫さんを尊敬 @ToshioOkada: 連載の7回目が公開されました。 3年以上前 replyretweetfavorite

ToshioOkada 連載の7回目が公開されました。 3年以上前 replyretweetfavorite