かわいげ」がなければ孤立する

貨幣経済が衰退して評価経済が台頭している今、これまでのような“社会的な”立場や評価はなくなり、「仕事」と「仕事でないこと」の差もどんどんなくなっています。そんななかで必要なのは「かわいげ」だと語る岡田さん。いったいどういうことなのでしょうか? PHP新書『僕たちは就職しなくてもいいのかもしれない』(岡田斗司夫 FREEex著)の一部を公開いたします!

「他人から仕送りをもらう女子大生」からもわかるとおり、これまでのような「面倒をみるのが当然」という固定的な立場や関係も、どんどん変化しています。
 むかしは、親戚の仕事の世話は当たり前でした。だから学生が仕事を探すときは、「まず親戚の叔父さんに相談」がごくふつうのルートでした。でもいま、就活の時期に「まず親戚に相談」という学生は少ないでしょう。
 同様に「夫婦だからいっしょに住む」という関係まで変化しています。いっしょに住みたいから住む。便利だからいっしょに住む。こうした「そのときの気持ち優先」が僕たちのあこがれになりつつあるのです。
 さらには、「親だから子供の面倒をみる」とか「子供だから親の面倒をみる」ともかぎらなくなっていく。
 子供の助けは借りず、自分でケアハウスに入る老人は多い。いつまでも親の世話になるひきこもりやニートが激増する一方で、大学時代に一人暮らしを始めて、卒業後は完全に独立する子供も増えています。
 「大学を卒業して数年したら独立」というかつてのパターンはもう崩れています。
 若者や弱者がだれにサポートしてもらうかは、個人によって違う。こんな社会がやってきたのです。

 そうなると、つながりが薄くなって、弱者はどんどん孤立するかもしれない。
 逆に弱者であっても、どこにいようが、だれとでもネットを介したコミュニケーションがとれるようになるわけですから、つながりは無限になり、「助けてもらえる可能性」も無限に拡がっていきます。
 どうなるかは、その人の「評価」しだいです。
 他人とのつながりをつくれなかった人は、頼れる親に最後まで依存することになる。
 ネットなどでつながりをどんどん強化できる人は、親や地域からも自由になれる。広大なネットの海で、会ったこともないだれかからサポートを受けられる世界がやってきたら?
 『未来改造のススメ』(アスペクト)という僕の本の共著者でもある小飼弾さんも予見していますが、「無償の奉仕」や「かわいげ」が、いまよりもっと重視されるようになるでしょう。
 「かわいげ」のある人は、いろんなサポートを受けることができる。
 「かわいげ」のない人は、自分のチカラだけで生きていかなくてはならない。
 いまや「かわいげ」は、ビジネススキルや資格よりも「生き残り戦略」にとってずっと重要な要素になりつつあります。

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僕たちは就職しなくてもいいのかもしれない

岡田斗司夫

就活や会社生活に疲れきったすべての日本人に贈る1冊。 就職や仕事の問題に悩んでいるみなさん、「仕事サーファー」「愛されニート」という生き方を選んでみるのはどうですか? 「評価経済社会」の到来を予言した稀代の評論家・岡田斗司夫氏...もっと読む

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コメント

sinnao あえていまこれをツイートする意味はと問われると困るけど 3年弱前 replyretweetfavorite

Manaming1 “@ToshioOkada: 連載の4回目が公開されました!” かわいげ…あるのかなぁ? ワタシ 約3年前 replyretweetfavorite

okataku321 それでもお金が欲しい僕は化石かもしれないw 約3年前 replyretweetfavorite

shoheyheyhe 評価される、信頼される、リソース提供を受けるに値するスキル、経験、資源(&かわいげ)を持っているのか? 約3年前 replyretweetfavorite