新訳 世界恋愛詩集

雪が白なら彼女の胸は」シェイクスピア

英国ルネサンス文学の最高峰シェイクスピア。四大悲劇ほか数々の戯曲で知られる彼が、全154篇のソネット(十四行詩)も書き残しているのをご存じでしょうか?
今回ご紹介するのは、黒髪で黒い肌の「ダークレディ」に捧げられたソネット130番。菅原さんの手によって、どのように生まれ変わるのでしょうか。「詩人天気予報」などで話題の詩人・菅原敏さんが、古今東西の詩人の作品に新訳という名のオマージュを捧げる本連載。気鋭の現代美術家・久保田沙耶さんのアートワークとともにお楽しみください。


彼女の瞳より、太陽は輝いてるし

彼女の唇より、珊瑚のほうが赤い

雪が白なら、彼女の胸は浅黒く

髪が絹なら、彼女の髪は黒い糸


赤と白が溶け合ったバラは

彼女の頬には咲いてないし

ちまたにあふれる香水は

彼女の吐息よりもいい香り


その声を聞くのは好きだけど

音楽のほうが心地よく響き

女神が歩く姿を見たことはないけど

彼女は普通に地面を踏んで歩いてる


でもさ、ほかの詩人が嘘だらけの比喩で描く

どんな女たちより、僕の恋人は美しいんだ。


「雪が白なら彼女の胸は」

ウィリアム・シェイクスピア(1564~1616)

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新訳 世界恋愛詩集

菅原敏 /久保田沙耶

あまたの恋を書き残してきた、かつての詩人たちに、新訳という名のオマージュを。『新訳 世界恋愛詩集』は気鋭の詩人、菅原敏による新連載。いにしえの恋愛詩の輪郭を、菅原敏のいまの言葉でなぞっていきます。古い詩集に絵の具を落とし、新たな色で輪...もっと読む

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コメント

tiger Catching up on @sugawara_bin's latest project while waiting for dough to rise. https://t.co/bxhGK4yGx7 約4年前 replyretweetfavorite

hugh_dapples 瞳の輝きを太陽に、唇の赤さを珊瑚に、胸の白さを雪に喩えているのと同様に、髪が"wire"というのも当時の女性讃美の常套句だったんだねえ。ここでは"絹"と訳されてるけど。絹かあ。 - 約4年前 replyretweetfavorite

mariemarietrip うわ。最後に撃ち抜かれた。→ 約4年前 replyretweetfavorite