後編】浮気で朝帰りをした夫に「お疲れさま」とお茶を出せる“勇気”とは?

アドラー心理学および『嫌われる勇気』を巡る、作家・経営コンサルタントの和田裕美氏と岸見一郎氏との対談。後編は、アドラー心理学を理解するうえで重要になる「ライフスタイル」「自己受容・他者信頼・他者貢献」とはどのような考え方なのかを、具体的なエピソードを交えて考えていきます。さらに、話は岸見氏の過去のエピソードにまで及び、より深くアドラー心理学の真髄に触れる内容となりました。二人の白熱の対談をじっくりお楽しみください。(構成:宮崎智之、写真:田口沙織)

「ライフスタイル」は誰にでも変えられる

岸見一郎(以下、岸見) こんな話があります。ある風が強い日に、向こうから知り合いが近づいてきました。その人は、密かにあなたが好意を抱いている人だった。しかし、すれ違いざまに声をかけようとしたら、目をそらされてしまった。そういう事態があったときに、多くの人は「嫌われた」「避けられた」と思うでしょう。しかし「風が強かったので、コンタクトが歪んで目をそらしたんだ」と思える人もいます。そういう人は、幸福度が少し高いですよね。

和田裕美(以下、和田) そうですね。もっと幸福度が高い人は「私のことが好き過ぎて、照れて目をそらしたんだ」と思うかもしれません(笑)。

岸見 そうですね(笑)。「嫌われた」と思ってしまえば、その人との関係は終わってしまいます。しかし、一方でそう思えば振られるというリスクを冒さなくて済むことにもなる。つまり考え方次第でいくらでも物事のとらえ方は変わります。こうした思考や行動の傾向をアドラー心理学では「ライフスタイル」と言います。問題をどのように解決するかの癖みたいなものです。「嫌われた」と思うような私は嫌だなと思っても、その馴染みのライフスタイルでいる限り、次に何が起こるか予測することはできます。しかし、「私のことが好きで、目をそらした」と考え方を変えた瞬間に、その先の人生がまったく見えなくなる。そういう怖さがあるため、人はライフスタイルを変えたくないと思うのです。

和田 そのほうが楽だからですね。

岸見 はい。人間は一度したことは何度でもできるようになります。だから私は、あらゆる場面でこれまでとは違った考え方をするトレーニングを1週間してみてほしいと勧めています。

和田 考え方を変えるだけでも、ずいぶん人生が変わりますよね。

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今、自分にできること」にスポットを当てる—和田裕美×岸見一郎対談

和田裕美 /岸見一郎

49万部のベストセラーとなった『嫌われる勇気』は、フロイト、ユングと並んで「心理学の三大巨頭」と称されるアドラーの思想を哲人と青年の対話形式で紹介し、“アドラーブーム”とも呼べる現象を巻き起こしています。 そのアドラー心理学に共感し、...もっと読む

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コメント

miyukisaito_ 多くの人は「自分のことが大嫌い」だと言います。なんとかして自分のことを好きになってもらいたいのですが、そのためには誰かに貢献しているという感覚を持っていただく必要がある。 約2年前 replyretweetfavorite

OsamubinLaden 和田さんの目が神がかってる  3年以上前 replyretweetfavorite

ururun_z 嫌われる勇気かぁ… 3年以上前 replyretweetfavorite