民間ビッグデータで新産業を創出する」という絵空事

グロービス経営大学院で教鞭をとる「R30」こと川上慎市郎さんによるマーケティング&マネジメント論。前回までにも出てきた、「ビッグデータ」。最近も、「民間の個人情報売買解禁へ 政府、新事業創出を後押し」と題した記事が出たばかり。万能な魔法の言葉のように受け取られがちなビッグデータを正しく活用するにはどうすればよいのでしょうか?

 前回まで、デジタル広告の総合カンファレンス「アドテック東京」を通じた、昨今のネットマーケティングについて書いてきました。その中で、ビッグデータと呼ばれる非定型データの解析が、デジタルマーケティングの技術的ブレークスルーの一つと目されていた、という話をしました。

 実際のところ、私もこの数年、マーケティングにおけるビッグデータの活用には常に注目してきましたし、世の中全体でその活用の研究が進むこと自体には大いに期待するものです。しかし、「ビッグデータ」が、例によって技術の分からない人たちの間で「何でも可能にする魔法の言葉」的な受け取られ方をしているのではないかと疑問に思うことも出てきています。

 それは、先週11月29日、日本経済新聞が報じた「民間の個人情報売買解禁へ 政府、新事業創出を後押し」と題した記事です。

 記事の内容は、政府が30日に閣議決定した経済対策の中の規制改革部分の紹介ですが、、タイトルになっている部分を簡単にまとめると、「企業や病院などが持つ個人情報を匿名化したうえで他の企業に売買できるようにする個人情報保護法改正案を、13年秋の国会に提出する方針」とのことです。

「ビッグデータで新産業創出」は本当か?

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R30::リローデッド

川上慎市郎

グロービス・マネジメント・スクールでマーケティングを教える川上慎市郎さんが、若手ビジネスパーソン向けに、マーケティング、メディア、そして教育について、深くやさしく解説をします。かつて有名ブログ「R30::マーケティング社会時評」を運営...もっと読む

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