倉本圭造
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第17回】これからを生き抜くための「ラマヌジャン・フロー」
京大、マッキンゼー、ホスト、船井総研という異色の経歴を経てきた若き思想家・倉本圭造さんの意欲作のエッセンスを、cakesでもお届け。今回は、倉本さんの高校時代の部活動の話を例に出しつつ、共同体が壊れ始めた後に生き抜くための秘奥義・「ラマヌジャン・フロー」について語ります。
まだ儀式に価値が感じられるなら、無理して捨てる必要はぜんぜんない
第3章で紹介した、「何年も連続で世界一になった愛知県のコーラス部」の人たちと大学時代にかなり仲良くなりましたが、彼らは前述の私の高校の例ほど「前時代的」な感じではなく、むしろ三河地方ナンバーワン進学校の自然なプライドの延長に朗らかな共同体を立ち上げている、「コクリコ坂から」的な雰囲気でやっておられるようでした。
同じように、地方に多い伝統的強豪校は、それぞれ独特な風習をしっかり残しつつも、「カルピスについて先輩が2時間怒って下級生が泣く」ような無茶はあまりないような雰囲気なんじゃないかと、遠くから見ていて思います。それなりに厳しい雰囲気はあるようだけども、みんなあまりそれに抵抗感なく参加している「空気」がまだ活きているというか。
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この連載について
倉本圭造
京大、マッキンゼー、ホスト、船井総研という異色の経歴を経てきた若き思想家・倉本圭造さん。彼の処女作『21世紀の薩長同盟を結べ』は、23万字にわたる圧巻の提言書です。そんな意欲作のエッセンスを、cakesでもお届け。閉塞的な空気に包まれ...もっと読む
著者プロフィール
経済思想家、経営コンサルタント。1978年神戸市生まれ。京都大学経済学部卒業後、マッキンゼー入社。国内大企業や日本政府、国際的外資企業等のプロジェクトにおいて、「グローバリズム的思考法」と「日本社会の現実」との大きな矛盾に悩み、両者を相乗効果的関係に持ち込む『新しい経済思想』の必要性を痛感、その探求を単身スタートさせる。いわゆる「ブラック企業」やカルト宗教団体、ホストクラブ、肉体労働現場等に潜入して働き、今を生きる日本人のリアリティを肌感覚として知った後、船井総研を経て独立。「個人の人生戦略コンサルティング」の中で、当初は誰もに不可能と言われたエコ系技術新事業創成やニートの社会再参加、元会社員の独立初年黒字自営化など、幅広い「個人の奥底からの変革」を支援。