「廃炉」は現実的ではない
堀江 それに、原発反対派の人は、「廃炉にしろ」と言いますが、その難しさをわかっていないんじゃないでしょうか。
田原 そのとおりです。廃炉は、運転を停止した原子炉から使用済み核燃料を取り出すところから始まって、何十年もかかる作業です。
堀江 そうなんですよ。それなのに、今、反原発を叫べば、能力の高い技術者はますます集まってこなくなる。これは非常に危険です。
田原 今現在で、国内には1万7千トンの使用済み核燃料がある。世界では16万トン以上です。これをどうやって処理するか。最終処分の方法については、日本では処分場の予定地さえ見当がついていないですからね。
堀江 力のある技術者がしっかり残って、原子力を産業として支えていけるようなしくみをつくっていかないといけないんですよ。
田原 その意味でも、世界中の有能な技術者が知恵を出し合って、テクノロジーで解決できる部分は大きいと思います。
堀江 そうなんです。世界では、たとえばビル・ゲイツが自分のファンドから資金を出して進めている原子炉のプロジェクトがあります。これなどは、非常に期待できるものですよ。
田原 そのビル・ゲイツのプロジェクトは、何をしようとしているのですか?
堀江 開発しているのは、テラパワーという会社なんですが、安全な、次世代の原発をつくろうとしているんです。
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