第3回】『ハゲタカ』は、死ぬまで書こうと思っていた

作家・真山仁さんのデビュー10周年記念インタビュー。第3回は、NHKのドラマとしても放映され、真山作品の名を一気に全国に広めた『ハゲタカ』シリーズを振り返ります。ドラマ化とそれにともなう『ハゲタカ』ブームは、真山さんの作家人生にどのような影響を与えたのでしょうか?

もうひとりの鷲津政彦

— 中国の原子力発電建設の現場を舞台とした『ベイジン』の連載が始まった年に、NHKで『ハゲタカ』のドラマが放送されます。これがベストセラーのきっかけになるわけですが、今振り返って、ドラマについてはどう感じていますか?

真山 デビュー作があれだけのすばらしいドラマになったのは、幸せなことです。やっぱりNHKはすごいなと思うのは、どこの地方へ行っても、取材相手の3人に1人は「ドラマを見た」って言うんです。これはやっぱり大きい。

 もちろん本もものすごく売れましたし、映画にもなった。そのおかげで、20代後半から30代の若い層に、熱狂的真山ファンがいるんですね。この10年間の運はすべて凝縮されているくらい、ドラマ化は幸せなことだったと思います。

新装版 ハゲタカ(上) (講談社文庫)
新装版 ハゲタカ(上) (講談社文庫)

— 一方で、ドラマの『ハゲタカ』と小説の『ハゲタカ』って、だいぶ違いますよね。

真山 全然違いますね(笑)。

— 原作者としてはどのように感じましたか?

真山 最初にNHKからお話が来た時に、原作との違いにどれぐらいこだわりますかって聞かれたんです。こちらからお願いすることは一点だけ、ハゲタカのせいで日本がおかしくなったというのだけはやめてくれと言いました。
 この小説は、言い訳ばっかりしている日本人がハゲタカにむしり取られる、原因も結果も日本人の自業自得だという物語なので、そこをドラマとして作ってくれるのであれば、もう鷲津が女でも構わないし、新しい登場人物を入れても構わないと言いました。

— その結果、出てきた脚本は?

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日本の「問題」から目をそらすな—作家・真山仁デビュー10周年記念インタビュー

真山仁

現代社会の光と影に注目し、常識のウソに鋭く切り込む小説家、真山仁さん。今年でデビュー10周年を迎えた真山さんは、日本経済の問題点を鋭く浮かび上がらせ、大ヒットをとばした『ハゲタカ』シリーズから、原発事故を題材とした『ベイジン』、関東大...もっと読む

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コメント

office_mayama 昨秋にcakesで掲載された、真山仁デビュー10周年インタビューを時間限定無料公開中! 3年弱前 replyretweetfavorite

office_mayama 【!】真山仁とは何者か? 日本の10年とともにデビューからの軌跡を振り返っていきます。 3年以上前 replyretweetfavorite

hyroaky_ 『ハゲタカ』は、死ぬまで書こうと思っていた| 3年以上前 replyretweetfavorite

kay_ya この連載面白い。/ |日本の「問題」から目をそらすなーー作家・真山仁デビュー10周年記念インタビュー|真山仁|cakes(ケイクス) https://t.co/zpMAJ7WfkV 3年以上前 replyretweetfavorite