倉本圭造
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第12回】「ニコ動」にみる日本人のいいところ、わるいところ
京大、マッキンゼー、ホスト、船井総研という異色の経歴を経てきた若き思想家・倉本圭造さんの意欲作のエッセンスを、cakesでもお届け。空気に流されて生きてきた日本人ですが、それは好奇心の発露の裏返しです。ニコニコ動画に凝縮された、日本人の好奇心の「いいところ」を「わるいところ」とは?
赤子のような、サルのような、
純粋無垢な好奇心こそが我々の本当の良さだったはず
幕末の写真を見ると、夷人どもに神国の土を踏ませてなるものぞ、と今にも斬りかかりそうな怖い侍ばかりが写っているわけではありません。
むしろ、初めて見る外国人に興味津々、外国人の持ち込んだ文明の利器やら服装やら帽子やらに興味津々、外国人の帽子などを貸してもらったらみんなで寄ってたかって触ったり眺めたりして、それがどういうふうにできているのか、何でできているのか、どうしてこうなっているのか……を目を輝かせて検分している写真が結構あります。
それは、好意的に言えば、まるで新しいオモチャを買ってもらった赤子のようだと言えるし、意地悪く言えば、初めて鏡を見たときのチンパンジーのようだとも言えるでしょう。
なんというか、そういう「本能的なレベル」での、「これよくない? よくないこれ?よくなくなくなくなくなくない?」的な連動性こそが、日本人の本当の強さだということです。
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この連載について
倉本圭造
京大、マッキンゼー、ホスト、船井総研という異色の経歴を経てきた若き思想家・倉本圭造さん。彼の処女作『21世紀の薩長同盟を結べ』は、23万字にわたる圧巻の提言書です。そんな意欲作のエッセンスを、cakesでもお届け。閉塞的な空気に包まれ...もっと読む
著者プロフィール
経済思想家、経営コンサルタント。1978年神戸市生まれ。京都大学経済学部卒業後、マッキンゼー入社。国内大企業や日本政府、国際的外資企業等のプロジェクトにおいて、「グローバリズム的思考法」と「日本社会の現実」との大きな矛盾に悩み、両者を相乗効果的関係に持ち込む『新しい経済思想』の必要性を痛感、その探求を単身スタートさせる。いわゆる「ブラック企業」やカルト宗教団体、ホストクラブ、肉体労働現場等に潜入して働き、今を生きる日本人のリアリティを肌感覚として知った後、船井総研を経て独立。「個人の人生戦略コンサルティング」の中で、当初は誰もに不可能と言われたエコ系技術新事業創成やニートの社会再参加、元会社員の独立初年黒字自営化など、幅広い「個人の奥底からの変革」を支援。