企画者とエンジニアはどちらが偉いのか
川上量生(以下、川上) ここでいったん、企画者とエンジニアはどっちが偉いかというテーマについて話しましょうか。僕はやっぱり、企画者が偉いと思ってるんですよ。根本的にはね。
—— ほう。
川上 でもうちの会社って、エンジニアを大事にする文化があるので、企画は地位が低いんです。それっていうのは、あまり企画者がバリューを出せてなかったからだと思うんですよね。企画者って、ポジションで偉いわけじゃなくて、企画そのものの影響範囲が大きいから偉いんですよ。
—— そうですね。
川上 その人が考えた企画に合わせて、たくさんのエンジニアが動くことになる。だから、企画そのものの精度はすごく高い必要があるんです。本当はエンジニア1人よりも、その企画者の能力で全体のプロジェクトの成否が左右される。ところが世の中に、バリューを出せる企画者ってあんまりいません(笑)。
—— たしかにそうですね。
川上 バリューを出せる人もなかなかいないし、そういう人を育てるのも難しい。だったら、エンジニアのほうが確実に戦力として計算できるので、エンジニアを大事にしよう、というのがドワンゴの基本思想だったわけです。
—— なるほど。
川上 でも、本当に優秀な企画者がいれば、その人のほうがエンジニアよりやっぱり偉いんです。だから、うちでもなんとかいい企画者を抱えたいと思っていて、前回話したように、女性を配属したり、エンジニアから転向させたりいろいろしてきました。そして次にやろうとしているのが、デザイナーを企画者にするということです。
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