人々に「覚悟」を決めさせる「ドラマ」の生み出し方
前回は、「下向き」のビジネスには、当人に「もう俺の人生はココでやっていくんだ」というような「覚悟」というか、そういうふうに痛感させるような「ドラマ」が必要だという話をしました。
うまくいっている事例は大きく二つで、一つは「挫折型」、もう一つは「会心の一撃型」です。「挫折型」というのは、「自分が目指していた研鑽の道を、もっともっと圧倒的にやってくれる存在と出会った」というようなケースです。
よく高校野球などのトーナメント形式の大会で、負けた方が「俺たちの分も頑張ってくれ」と勝った方に言うシーンがありますが、明確にああいう形の体験をした人は、「自分はここまで」という感覚が骨身に染みてわかっているので、「下向きのビジネス」に心置きなく集中することができます。こういうタイプの人は結構「そこそこの質で大きな規模」を目指しがちなので、経済にある程度大きな規模で貢献してくれることになります。
また、「会心の一撃型」というのは、すごく繁盛している行列ラーメン店のボスだとか、自家製のハムやスイーツのような「工夫を集中的に練り込んだ一点もの」の商品を小規模で売ってカリスマ的に有名になっている存在などがそうなのですが、要は「自分なりに納得できた」という体験ができるまで、苦労に苦労を重ねるタイプということになります。
そしてある日、「これなら!」と自信が持てるような境地にたどりついて、そこを起点に「下向きのビジネス」を真剣にやるようになるというものです。
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