後編】体を動かすと幸福に、幸福になると生産性が上がるという事実

ビッグデータという言葉が生まれる前から、ウエアラブルセンサによって、膨大な身体活動のデータ分析をしてきた『データの見えざる手』の著者・矢野和男さん。身体運動の活発さから、驚きの新事実が次々にわかってきた過程についてじっくりお話を伺いました。後編は、ウエアラブルセンサで測った身体活動の総量が多い人ほど、幸福度が高いという驚くべき事実から、人の出会いを司る「1/Tの法則」まで、人間の実態に迫ります。

休憩中によくおしゃべりするだけで、受注率がアップする事実

佐渡島庸平(以下、佐渡島) 『データの見えざる手』では、「幸せ」を制御できるのかどうかという章で、コールセンタの生産性(受注率)が休憩所の会話の「活発度」と相関しているという、驚くべき結果を紹介していますよね。

矢野和男(以下、矢野) 電話セールスの売上というのは、日毎にすごくバラつきがあるんですよね。今までは、スキルの高い人が出勤してたとか、この曜日はちょっと受注率が高いとか、それくらいしか考えられていなかったと思うんです。でもスタッフの行動を分析してみると、それらの要因よりはるかに強く影響していたのが、休憩所の会話の活発度だということがわかりました。

佐渡島 僕はいま会社をやっているので、組織のマネジメントの観点から、こういう調査はすごく気になります。これも、ウエアラブルセンサのデータから明らかになったんですよね?

矢野 はい。首から下げる名札型のウエアラブルセンサをスタッフ全員につけてもらって計測したところ、休憩時間に会話するときの身体活動が活発な日は受注率が高く、活発でない日は受注率が低いという結果が出たんです。

佐渡島 でもそれだけだと、たくさん受注ができてテンションが上がったから、休憩時の会話が盛り上がったという可能性もありますよね。

矢野 そうなんです。そこで、同世代の4人のチームで休憩をとってもらい、意図的に会話を活性化する施策をとったところ、休憩中の活発度が10%以上向上し、受注率が13%向上しました。

佐渡島 スキルレベルが高い人が出社しているかどうかよりも、みんなが楽しく会話しているほうが影響大きいっていうのが、すごいと思いました。

矢野 スキルレベルが高い人が出社してるかどうかというのは、20%くらいしか関係ないんですよね。休憩所の活発度による影響は35%もありました。

佐渡島 これって、どういう因果関係なんでしょうか。

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人間の行動を支配する隠れた法則とは—『データの見えざる手』矢野和男インタビュー

矢野和男

『データの見えざる手』(草思社)を読んで、"こんなに知的興奮を他に得た記憶がない"、そう驚きの声をもらしたコルク代表の佐渡島庸平さん。すぐに著者の矢野和男さんとコンタクトがとれ、インタビューが実現しました。ビッグデータという言葉が生ま...もっと読む

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コメント

austinzabanya1 そういうのってみんな何となくで知ってるよね。ケド、なんか無理してアゲようとすると逆に場がシラける事もネ。その機微が悩ましいんでしょ 1年以上前 replyretweetfavorite

shigeksi 今週あった悪いことをレポートするだけで、心も体も蝕まれていくということが確認されています。/体を動かすと幸福に、幸福になると生産性が上がるという事実| 2年以上前 replyretweetfavorite

uminekozawa フィジカル!/ #life954 2年以上前 replyretweetfavorite

yk_345 データの見えざる手が本当におもしろい…!! cakesの記事(* ´ω` *) https://t.co/bvfmTyMEVq 2年以上前 replyretweetfavorite