女性はいつまでたっても運命の恋に落ちたい
林伸次(以下、林) そうだ、これは川崎さんにお会いしたら聞こうと思っていたんです。僕は1週間に1回は、30代なかばの女性から「彼氏がほしい、誰か紹介して」って頼まれるんですよ。
川崎貴子(以下、川崎) 私もですよ(笑)。そのくらいの年代の女性、悩んでる方が多いんですね。
林 ほんと、多いですよね。それで、僕はお店で1回婚活パーティーみたいなことをしたことがあるんです。男女5人ずつ招待して、10分話したら席交代して、全員と話せるようにするっていう。
川崎 すてきじゃないですか!
林 すっごく盛り上がって、参加者全員友だちになったんです。アドレス交換もしました。でも、一組もカップルができなかったんです。そのほかに、けっこういい感じの男性を紹介したりしても、ことごとくうまくいかないんですよね。「どんないい人でもいいから!」って言うのに、紹介したら「うーん……」ってさえない反応なんです。
川崎 うーん、紹介は気を使うからじゃないですか? 紹介してもらった人に対して、ガツガツ近づけないっていうのはありますよね。相手が気を悪くして、自分の知り合いに「しつこくされちゃって、困ってるんだよね」とか言われたら、大変じゃないですか。
林 そうですね、紹介者を意識してしまうのはあるかもしれません。でも僕は紹介がうまくいかないのにはもうひとつ、大きな理由があるんじゃないかと思ったんです。それは、女性は「運命」が大好きなんじゃないかってこと。
川崎 ふふふ、なるほど(笑)。
林 紹介した人に対して乗り気じゃない女性に話をよく聞くと、やっぱり運命的に出会って、「好きー!」ってなって、雨の中で抱き合ったりして、結婚したいみたいなんですよ。
川崎 ミュージカルのように(笑)。
林 紹介だと運命を感じないから、ダメなんじゃないかなと思って。bar bossaのお客さんで歌手の方がいらっしゃるんですけど、カウンターで隣り合った方と話が盛り上がって、その後すぐ結婚されたということがありました。
川崎 へえ、すごいですね!
林 そのときもいろいろな偶然が重なったんですよね。マネージャーさんが急に帰らなければいけなくなって彼女がそのときひとりだったとか、彼がたまたま彼女のCDを持っていたとか。こういう偶然がないと、女性の心は動かないのかなと思ったんですけど、そんなことはないですか?