女のプロ」が教える肉食系女子のススメ【第1回】

女性に特化した人材コンサルティング会社の代表を務め、これまでプライベートを含め1万人を超える女性の人生相談に乗ってきた川崎貴子さん。みずからも結婚、離婚、再婚を経験した「女のプロ」の川崎さんと、cakesの人気連載「ワイングラスのむこう側」の著者・林伸次さんが対談を行いました。おふたりがまず最初に取り上げたテーマが、「選べる女子」について。「選べない女子の方が『女子力』が高い」というおふたりですが、なんでも自分で選んでしまう女子はどのように恋愛すれば良いのでしょうか?(構成:崎谷実穂

リードする役割を女性に任せてしまえばいい

川崎貴子(以下、川崎) 今日は、まずこの話をしたいと思ってたんです。林さんが書いた、選べない女のほうが女子力が高いというコラムについて。

林伸次(以下、林) ああ、こわいですね(笑)。怒られそう。

川崎 いやいや逆です、「ほんとにそうだよなあ」と思いながら読みました。私、選べる女なんですよ。お店も自分で選ぶし、メニューだって相手にかぶせるくらいの勢いで「これがいいんじゃない?」って言っちゃう。そうしてきたせいで、まったくモテませんでした。だから、年下の女性にはあまりちゃきちゃきデートをしきっちゃダメだよ、と伝えてるんです。

 わあ、川崎さん、僕の妻みたいです。僕らは付き合っていた時から、彼女の方が休日の過ごし方などを全部決めてくれてたんですよ。僕は「あ、はい」ってついていくだけ。レストランも調べてくれるし。それで十分楽しいんです。

川崎 林さんの奥様って年上ですか?

 はい。8歳年上です。

川崎 うちも、夫が8歳下です。歳の差も似てますねえ。

 僕はこれからの時代、こういう関係性のほうがうまくんじゃないかと思っているんですよ。男性は無理してがんばらずに、リードする役割を女性に委ねてもいいじゃないかって。だって、じつはレストランとかのおしゃれなお店って、女性のほうが詳しいじゃないですか。

川崎 そうなんですよね。女性は年上の男性に連れて行ってもらったりする回数も多いですしね。

 好奇心も強いですよね。そう考えると、男性が決めなきゃいけない役割だと思われていたのが、おかしかったんじゃないかと思ったんです。不得意なところはあきらめて、荷物を持つとかそういうことだけやればいいのかなと。それすらやらなくていい、って言われそうですけど。

川崎 いやいや、ぜひ重い荷物は持ってください(笑)。でも、たしかにレストランなどは女性の方が詳しいんですけど、バーというのまた、ちょっと違うのかなとも思いました。バーはやっぱり、男性がリードする場所ですか?

 そうですねえ……バーは基本的に、男性が見栄を張るところですね。オーダーもバーテンに任せればいいのに、どれだけ自分がワインのことを知っているか、目の前に女性がいるとつい言いたくなってしまうようです。

川崎 男の人って、どうしてあんなにうんちくをたれるんでしょう?

 あはは。僕自身はうんちくに興味がないのでわかりませんが、マウンティング*1行為なんでしょうか。
*1 日常の中で自分が上であることを相手に示す行為

川崎 「あーこのワインおいしい!」でいいじゃん、と女性は思うのですが。

 好きなことだからつい語りたくなっちゃう男性もいるかもしれませんね。

川崎 私、バーは女性が男性を連れてきたほうがいいんじゃないかと思うんですよ。男性はなかなか自分のテリトリーを広げませんよね? 私自身、ひとりでゴールデン街から銀座のバーまで飲み歩くタイプだったんですよ。それらのお店は半分は飛び込みで新規開拓、そして、半分はやっぱり、最初は年上の男性に教えてもらったりして場馴れした所、それを今度は年下の人に伝えていきたいなと思うんです。

男性はバーでも「うっとり」しない

 うーん……バーに男性が女性に連れてこられるのは、むずかしいでしょうね。楽しめないと思いますよ。

川崎 じゃあ年上の女性じゃなくて、気のおけない同僚の女性とかは?

 ダメです、ダメです。ましてや年下の女性なんか、絶対ムリだと思います。

川崎 ええー、そうなんですか。バーって恋愛にピッタリの雰囲気だから、肉食系女子には「意中の男性をバーに連れて行きなよ」と薦めてたんですけど、違ったんだ……。

 たしかにバーは恋愛にピッタリの雰囲気です。でも、女性が男性を連れてくるのはどうでしょう。たぶん、男性は「うっとり」しないと思います。

川崎 うっとりしない!

 自分で想像してみても、僕の知っている草食系男子で想像してみても、うっとりしないよな、と思いました。実際、妻と付き合う前に雰囲気のいいバーに連れて行ってもらったことがあったんです。「ああ、こういういいお店を知ってるんだ。すごいな」とは思いましたけど、恋愛的な気分は盛り上がりませんでしたね。

川崎 その背後にあることを考えてしまうんですか? 初めて来た時はどんな男の人に連れてきてもらったのかな、とか。

 いや、僕の場合それはないですね。彼女のほうが経験豊富なことは十分知っていましたし。例えば、ちょっといいなと思っている子が、自分の地元に連れて行ってくれて「ここが私が生まれ育ったところで、ホタルが見えるの」とか言われて、ふわーっとホタルが飛んでたりしたら、うっとりすると思うんですよ。

川崎 すごい想像力ですね(笑)。なるほど、バーだといろいろ余計なことを考えてしまうのかもしれませんね。「自分は女に連れてこられた男に見えてるのかな」とか、「オーダーは何を頼んだらかっこわるくないかな」とか。

 そうですね、バーにはマウンティング関係がどうしても付きまとうんでしょうね。

川崎 雰囲気がよくて、すてきな音楽が流れていて、暗くて彼女も3割増しできれいに見えて(笑)、お酒も入ってきて、ちょっと恋でも語ってみようかな、みたいな「うっとり」は作動しないんですね。なんだ、がっかり。

 その雰囲気はすごくわかるんですけどね。そうだな、一方的に連れてくるんじゃなくて、「私、このお店が気になるんだけど、ふたりでいってみない?」っていうんだったらいいかもしれない。そういう関係だったら、女の人が「ここ、メニューに金額書いてない、どうしよう」ってなっても、「大丈夫、おれカードで払うから」って……やっぱり男は主導権を握りたいのかなあ。

川崎 男の人ってめんどくさいですねえ。じゃあ、bar bossaでも、女性が男性を連れてくるシチュエーションはほとんど見かけないんですか?

 ごく少ないですが、たまにあります。その場合、ふたつのパターンがありますね。ひとつは、女性が音楽やワインが好きで、bar bossa自体に興味をもってくださり、一緒に行く人がたまたま男性だった場合。もうひとつは、女性が常連さんで「林さん、今度気になる男性をつれてくるから、ちょっと見て」という場合。まあ、後者の場合、連れてこられた男性は落ち着かないですよね。

川崎 品定めされているわけですからね(笑)。

 そもそも、女性は男性をバーに連れて行きたい、と思っているのでしょうか。

川崎 うーん、私はそうしたいですが、一般的ではないかもしれません。正直なところを言うと、連れて行きたいと思う女性はごく一部でしょうね。女性ってやっぱり、バーは連れて行かれたい場所だし、口説くのではなく口説かれたいんですよ。

 そうですよね。

川崎 肉食系女子ならそれでいいのかもしれないけど、今は女性と男性は対等なのだから、自分から誘いなさい、それが女性の解放だ、とか言われると、きつい人も多いかもしれないですよね。だって、彼女たち自身にその願望がないんだから。

 ああ、それでいうと僕は、女性から告白するっていうの、成功しないと思っているんです。僕自身、女性から熱烈にアプローチされて好きになったことはないし、女性の方に好意があったとしても、男性に「好きだ」と言わせるように仕向けるほうが、うまくいく気がするんですよね。

川崎 うーん、私のまわりではけっこう、女性からのアプローチで付き合ったり結婚したりしているケースも多いですね。

 そうなんですか!

川崎 半年に1回くらい飲みに誘って、近況報告して楽しく飲んで、「私はまだ好きだよ。じゃあまたね」って言うっていうのを2年くらい繰り返して落とした、という話を聞いたことがあります。

 ああ、そういうケースもあるんですね。それは時代が変わってきているのかもしれないな。

(次回へ続く)

この連載について

女のプロ」川崎貴子×bar bossa林伸次 対談

川崎貴子 /林伸次

女性に特化した人材コンサルティング会社の代表を務め、これまでプライベートを含め1万人を超える女性の人生相談に乗ってきた川崎貴子さん。そんな川崎さんと、cakesの人気連載「ワングラスのむこう側」の著者・林伸次さんの特別対談を行いました...もっと読む

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コメント

kayoopii あ、あたし選べる女かも… だから年上なのかな。 https://t.co/aJEKaebdZz 約2年前 replyretweetfavorite

kabothomas 女のステレオタイプからはみ出ない女のプロの対談。くだらない。 約3年前 replyretweetfavorite

stillsteeldown "半年に1回くらい飲みに誘って、近況報告して楽しく飲んで、「私はまだ好きだよ。じゃあまたね」って言うっていうのを2年くらい繰り返して落とした"って、かっこいい!これ、目指すべきだった! 3年以上前 replyretweetfavorite

georgenagata 林さんとの良対談。僕と同年代の女性友達にお勧めしちゃう。 3年以上前 replyretweetfavorite