千葉県佐倉市の郊外に来ています。立派な樹木が並ぶ林を抜けて、畔に草花が咲き誇る池を見ながら進むと、かわいらしさ漂う建物が。「DIC川村記念美術館」です。ここで五木田智央の個展「TOMOO GOKITA THE GREAT CIRCUS」がはじまりました。
館内に入るとまずは、常設展をひと通り見られるかたちになっています。個展を観に来たのに……、などと焦ることはありませんよ。というのも、常設の充実ぶりは目を見張るものがあるからです。モネ、シャガール、ピカソ、そしてレンブラントの肖像画。巨匠の作品が続々と出てきて、一枚ずつに足を留めてしまいます。
抽象絵画のマーク・ロスコは、専用の鑑賞室が設けられていますし、箱型のインスタレーション作品で知られるジョゼフ・コーネルも何点か並んでいて魅力的。独自の青色で作品を塗り込めるイブ・クラインの作品も小さいながら存在感を発揮します。
ずっと進んで、ようやく五木田智央の展示室へと至ります。五木田はイラストレーションを雑誌メディアなどに発表する活動が目立つアーティストですが、同時に大型作品にも取り組み続けてきました。美術館では初の個展となる今回は、キャリアの全貌をたっぷり見られる機会になっています。
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