一年が経つのは早いもので……、なんて年末になるとみんな言い始めますが、もう明日から12月ということに驚きを隠せない今日この頃、いかがお過ごしでしょうか?
今日は第五金曜日ということで、月一連載のものをはじめ、いつもとちょっと違うコンテンツをお届けします。
●連載
「統計学が最強の学問である」【第24回】統計学者が極めた因果の推論——傾向スコアによる仮想的なランダム化 / 西内啓
ケイクスから初めての書籍化が決まった、西内啓さんの人気連載。今回からはいわば応用編。統計を取るためには、ある程度サンプルの条件を整えなければいけません。しかし条件はいくらでも分けられるもの。その中で、フェアな比較をする方法「傾向スコア」についてです。
「カモにならずに自分のお金を増やす方法」第三回 働くちからと貯蓄の話 / 橘玲
月に一回のお楽しみ。作家橘玲さんの我々が生きていくために必要な「お金」まつわる連載です。だれしも定年で退職すれば、それまで得ていた労働収入がゼロになってしまいます。そのときお金を得るために残された唯一の方法が、投資家として生きることなのです!
「新・山形月報!」第五回 被災地復興・移民・神話研究 / 山形浩生
山形浩生さんによる書評連載は、第五回目も写真集から被災地復興を論じたものまで取り上げる本は多種多様。実に八冊の本と、アメリカで発売された家庭用ロボットまでご紹介します。きっとあなたにとって、今必要な本が見つかるはず。
「彼女写真 in 岐阜」岐阜編【第30回】またね。 / 青山裕企 meets 美少女図鑑
毎日更新、地方都市発のフリーペーパー「美少女図鑑」と、気鋭の写真家・青山裕企さんのコラボレーションによる写真企画。岐阜編も最終回。ついに水木杏花ともお別れです。お別れが、こんなにつらいものなんて……!
「数学ガールの秘密ノート」第5回 数式のシルエット(前編) / 結城浩
結城浩さんの「数学ガール」シリーズ連載。「算数と数学の大きな違いは文字を使うかどうか」という「僕」。今回は大きな文字や小さな文字がたくさん出てくる「多項式」の書き方についてです。数学が苦手な人は、これを読めばなんで苦手になったのかがわかるかもしれませんよ。
「海とわんことビジネスと」【第10回】タグボート編(その4) - 船を港外に導く / 磯崎哲也
磯崎さんの連載は、タグボート鹿島丸編も今回が最後。鹿島丸が実際にタンカーを引きます。しかし、タグボートの視点から見るタンカーは本当に巨大。これを引けるんだからタグボートは本当に力持ちですね。今回は最後にマニア垂涎の鹿島丸360度グラビアも見られます(笑)。
「サンデー小町」【第2回】バーのマスター高村さんは38才で既婚です / 能町みね子
能町みね子さんによる漫画連載。熱狂的な支持を受けた『縁遠さん』から数年後、32歳になった3人の恋模様を描きます。前回、なり子に彼氏を紹介してもらったはす子。その間に一人行きつけのバーに現れたしな子。彼女の目的はやっぱり……?
「一故人」ノロドム・シアヌーク——「気まぐれ殿下」がカンボジアにもたらしたもの / 近藤正高
近藤正高さんが、亡くなった方の人生を、精密な筆先で新たに捉えなおす連載「一故人」。今回はカンボジアの現代史におけるキーパーソン、ノロドム・シアヌーク。激動の中で特異な人生を歩んだ人物の姿を論じます。
「キモい男、ウザい女。」哲学者とAV監督の対話 ② 「モテること」は「よく生きる」ことに、つながるのか? / 二村ヒトシ
二村ヒトシさんの連載は、哲学者・國分功一郎さんを迎えての2回目。國分さんの「モテるっていうのは、あまりいいことじゃないのかもな」という意外な言葉から、話が核心に入っていきます。
●ケイクスカルチャー
[2013年度版]神に誓ってガチですよ! 出版人の生き残り方「雑誌と書籍の現在」篇 / 尾谷幸憲
個性的な本をたくさん出されているライター・編集者の尾谷幸憲さんに、不況が叫ばれる出版業界の現状と未来について、二回に分けて論じていただきました。今回は出版に携わる人間にとって頭の痛い、雑誌と書籍の現在についてです。
●ショートショートケイクス
まずはお知らせから。今日は月末ということで月一連載のコンテンツが更新されていますが、その一人である橘玲さんの新刊が発売されました。
最新の“進化論”の知見をベースに政治・経済・社会・人生を論じたスリリングな批評集です。ケイクスの連載同様、すごく面白い内容になっておりますのでぜひどうぞ。
それと、次の東京都知事選へ立候補された、猪瀬直樹現東京都副知事のインタビューも今週アップされています。聞き手はピースオブケイク代表の加藤貞顕です。
「この国の問題を解決する力」猪瀬直樹が見た石原慎太郎と小泉純一郎——猪瀬直樹氏インタビュー前編
「この国の問題を解決する力」今、この国の政治家と作家に必要なもの——猪瀬直樹氏インタビュー 後編
インタビュー後編でも語られていますが、猪瀬さんの著作を読んで感じるのが、膨大の資料の裏付けがあること。猪瀬さんの事務所で行われたインタビュー収録のあと、特別に猪瀬さんの資料庫を見せていただきました。
4階分はあるでしょうか。10メートル以上の高さの吹き抜けに、階段に沿って積み上げられた本と資料の数々。『ミカドの肖像』(小学館文庫)や『昭和16年夏の敗戦』(中公文庫)のような名著は、これらの資料をもとにできていたんですね。インタビュー内で、猪瀬さんの本や資料の読み方に驚いた方がいらっしゃったようですが、これだけの量を読んできたことがわかると、納得できるのではないでしょうか。貴重な現場を見せていただき、ありがとうございました!
といったところで、今日はここまで。12月のケイクスもよろしくお願いいたします!
(金曜担当編集D)